小学校低学年生も歓迎!ひらがなの解説文があります。
鎌倉国宝館の2018年夏の展覧会「特別展 仏像入門 のぞいてみよう!ウラとワザ」を見に行ってきました。鎌倉国宝館の夏は仏像なのですです。鎌倉国宝館は鎌倉歴史文化交流センターと同じく、市内在住の小中高生と市内に在る小中高校の生徒の学習の場なので、夏休みの子供たちのために、分かりやすい展覧会となっています。
鎌倉国宝館の常設展示でひときわ目立つ、旧辻薬師堂の十二神将像(十二支の神様)をキャラ化し、ねずみ隊長・うさぎ隊員・とら隊員として、仏像のヒ・ミ・ツを教えてくれます。
解説文も大人用・漢字が読める子供用・ひらがなだけの子供用と、3種類あります。内容が違うので大人が読んでも、別のことが書いてあるので、情報が多めとなっています。
阿弥陀様から~天様までの階級を、校長先生から担任の先生の階層で紹介していました。阿弥陀様=校長先生という具合です。解説に工夫されています。
「ウラワザのぞき隊」のねずみ隊長だ!はじめましての人も、そうでない人も、こんにちは!私たちの任務は、特別展「仏像入門」に潜入して、仏像のウラやワザをお伝えすることだ。展覧会と一緒に、私たちの任務報告も楽しんでくれ!#鎌倉国宝館 #ウラワザ pic.twitter.com/zG50v1N5fj
— 鎌倉国宝館 (@kamakura_museum) 2018年7月29日
特別展では鎌倉と鎌倉近辺の仏像が展示されていました。秘仏になってなくても、普通の参拝では拝見できな仏様もあります。

文殊菩薩立像(阿弥陀寺)http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kokuhoukan/index.html
これ気になりました。
私が会場で気になった仏像を紹介します
歓喜天立像 象がハグしています。
いい造形はいい!小学生にも見せてあげる!当たり前のことなんですが、
歓喜天立像(巨福呂坂町内会)は50cmくらいの木造で、男女の象が立って向かい合い。ハグしているお像です。黒光りしているのは、油で沐浴する、浴油供をしたからか。男女平等、みんな仲良くをよく現した、お像に見えました。子供たちにもぜひ見てもらいたい。
鎌倉国宝館からほど近い、宝戒寺の大聖歓喜天は、秘仏です。多くの歓喜天像は秘仏となっています。ネットで画像検索すると、子供には見せられないお像が出てきます。こちらの歓喜仏は礼儀正しく、造形的良いな。男女が仲良くハグするのは、教育上いいな。さすが鎌倉。
宝戎寺

円覚寺の阿弥陀三尊像
円覚寺の選仏堂にいつもはいらっしゃる、阿弥陀三尊像です。お馴染みさんが博物館にいたので、「あなたそんなに偉い人だったの」と思っています。
長野の善光寺の本尊の模刻が、鎌倉時代から室町時代に盛んに作られました。この仏像もその一つです。善光寺の本尊は、日本で最も古い仏像と信じられていたので、仏教の原点に帰ろうという気運の盛り上がった鎌倉時代に、その模造が大流行しました。
善光寺の本尊は絶対の秘仏で写真さえないそうです。七年に一度御開帳がありますが、実はお前立ち(本尊の身代わり)の御開帳で、本尊の厨子が開いて開帳することはないです。円覚寺の阿弥陀三尊像は、善光寺の本尊の写しと言われていますが、確認できないんです。
こちらの阿弥陀三尊像は、ある伝説の仏像を模したお像です!その伝説の仏像とは、昔むかし、天竺(インド)に現れた阿弥陀如来そっくりにつくられたという仏像なんです!インドでつくられたその仏像は、いま長野県の善光寺にいらっしゃるんですって!#鎌倉国宝館 #ウラワザ pic.twitter.com/bEgrpTaGwZ
— 鎌倉国宝館 (@kamakura_museum) 2018年8月10日
土紋(どもん)の破片、鎌倉地方にしかない。
土紋とは、鎌倉とその周辺にしか作例のない、仏像装飾法です。粘土と漆を混ぜたものを、型に入れ、ビスケット型よろしく、仏像の装飾に用いたものです。
常設展示の少年の仏像、韋駄天立像(浄智寺)の衣の模様は土紋で、毘沙門亀甲の模様が良くわかります。花柄を抜いて貼り付けたものあります。経年劣化により剥がれ落ちるものもあり。土紋の断片の展示がありました。
昨年導入した新しい展示ケースは裏からも見えるので、裏に回って見てしまいました。仏像の衣の断片に、花の土紋を貼り付けたものです。よく見ないと模様が分かりません。
仏像を飾るワザもたくさんありますよ!例えば、この仏像の衣の断片には、表面に立体的な文様があります!これは粘土を型抜きして衣に貼り付ける「土紋(どもん)」という装飾です!土紋で飾られた仏像は鎌倉に集中して残っているので、とっても鎌倉らしいワザと言えますね! pic.twitter.com/J1v5MF2X1h
— 鎌倉国宝館 (@kamakura_museum) 2018年4月13日
土紋の装飾のついた仏像を収蔵している寺院
来迎寺(西御門)

浄光明寺

覚園寺

東慶寺

特別展 仏像入門 のぞいてみよう!ウラとワザ 概要
w e b: | http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kokuhoukan/28tennjikai.html twitter https://twitter.com/kamakura_museum |
会 期: | 2018年7月21日(土)~9月2日(日) |
会 場: | 鎌倉国宝館 |
休 館 日 : | 月曜日 8/13は臨時会館 |
開館時間: | 9:00~16:30 8/7・8・9(火~木)は~19:30まで (入館は閉館の30分前まで) |
入 場 料 : | 一般400円(300円)小・中校生200円(100円)( )内 20名以上団体 なお、鎌倉市内の小・中学生と、市内在住の65歳以上の方、または身体障がい者手帳等の交付を受けた方と付き添い1名は無料となりますので、受付で 詳細はサイトで |
鎌倉国宝館アクセス方法
鎌倉国宝館の紹介

webサイト | http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kokuhoukan/index.html |
住 所 | 鎌倉市雪ノ下2-1-1 鶴岡八幡宮境内 |
電 話 | 0467-22-0753 |
入場時間 | 9:00~16:30(入館は16:00まで) |
入 場 料 | 展覧会により変わります。 |
アクセス方法 アクセスページ
最寄駅:JR横須賀線線鎌倉駅・江ノ島電鉄鎌倉駅
徒歩 :鎌倉駅東口より15分
バス :江ノ電バス「鎌倉八幡宮」停留所もしくは京急バス「大学前」停留所から徒歩約3分
自動車:横浜横須賀道路「朝比奈」ICから車で約20分
鎌倉国宝館の過去の企画展
2017年 鎌倉公方足利基氏展

2017年 優美なる慶派の仏展

2016年 氏家コレクション

2015
鎌倉の公立美術館・博物館・植物園
鎌倉国宝館 サイト

鎌倉文学館 サイト

鎌倉歴史文化交流館 サイト

鎌倉市鏑木清方美術館 サイト

鎌倉市川喜多映画記念館 サイト

神奈川県立近代美術館 鎌倉別館 サイト
2019年秋まで、リニューアル工事のため閉館

神奈川県立フラワーセンター大船植物園 サイト
2018年8月20日初出
2021年9月15日改訂