ヌード NUDE 英テートコレクション展 横浜美術館 2018 テートの多彩な名品が観れる展覧会と覚えて下さい。

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ロダン「接吻」ヌード展 横浜美術館西洋美術
ロダン「接吻」ヌード展 横浜美術館
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世界を巡回した話題の展覧会

ヌード NUDE 英テート・コレクション展とは

イギリスの国立美術館テート・ギャラリーの、ヌードの展覧会が一昨年くらいから、ネットで話題になっていました。テートコレクションの18世紀から現代(2000年代)までの収蔵作品で見せる、ヌード展は、シドニー、ソウルと巡回して横浜美術館に来ました。少数の作品が横浜美術館と国内の美術館の収蔵作品で、他全てテート・キャラリーの収蔵作品でした。

出品作品の質は高くて、政治的・思想的臭いがして行くのを躊躇されているなら、行って作品に酔えばいいと思います。学芸員の思惑は無視しちゃって下さい。

テート・コレクション、お得意のイギリス・ラファエロ前派にはじまりドガ、マティスの19世紀フランス絵画。20世紀の有名芸術家の作品。みんな大好きシュールレアリスムも一部屋ありす。忘れるところでした。大理石が美しいロダンの「接吻」は360度鑑賞できて、写真も撮り放題でした。

それとこの展覧会は小学生の観覧もできます。一般・大学生の他に中・高生の入場料も設定しています。エロについての展示も一部あります。ターナーのスイス娼婦のスケッチはちと不味いと思いました。展覧会はエロ押しではありませんので、安心してください。男性のヘアヌードも、老夫婦のヌードも、美にはいろいろとあるのだ、という教育になります。

日曜美術館を見て、理屈っぽいので、いいやと思いました。

海外でも話題になっていた、テートのヌード展、横浜で近いから行こうかなと考えていました。日曜美術館を見て、理屈っぽくヌードを語るのでいいやと、思いました。

西洋におけるヌード表現は、歴史画なら〇、風俗画なら×でした。それを19世紀の画家たちが風俗表現でも出来るよう闘争したのです。それは自由への闘争でしたのでした。1980年代90年代は日本でもヌードの闘いがありました。宮沢りえのサンタフェ論争は有名です。

現在の日本では、ヌードをはじめとする性的なことも含め、表現の自由は認められているし、落ち着いているなと考えています。自由を持ち維持することの責任を感じます。私は自由大好きなので、他国の侵略により自由が奪われるなら、闘うつもりです。

1980年代なら、サブカルのギャラリーで行われていたことを、国立美術館で企画するのは、ヌード論争自体終わったからなのでしょう。ざわざわしたのは展示の最後の方です。ジェンダーの問題、性の搾取この辺りは、今後も問題になるでしょう。

行く気になれたのは、ミレイの「ナイト・エランド 巡歴の騎士」が来たからです。横浜美術館には、下村観山がこの絵の模写が所蔵されています。美術ブロガーのエントリーに常設に観山のが出ていたと、書かれていたので、これを観に行きました。

平日の午後に行ったら、空いていました。

五月半ばの平日の午後、横浜美術館に行ったのですが、空いていました。西洋美術の特にオールドマスターの特別展を選んで見に行くので、会場が激込みの場合が多いのです。今回の横浜美術館の特別展開場入口で、人がいませんでした。おかげでゆったり鑑賞できました。何でだ?証拠の写真です、笑い!

横浜美術館

横浜美術館 空いている。

かつてヌードを描くことは、闘いだった!

ミレイと観山、共に闘った者達。

もう30年くらい前かな、開館したばかりの横浜美術館で「ナイト・エランド 巡歴の騎士」の模写を観ました。存在感があるし油絵にせまる描写でした。それが日本画家の大御所、下村観山の筆で水彩画で驚きました。今回常設展示会場には何枚か観山の作品が展示されていましたが、そのどれとも似ていません。日本画家で自分の画風とも遠い西洋絵画を、模写し切っています。

ヌード展はテート・ギャラリーの方から、横浜美術館に巡回展の打診がありました。ミレイの絵が観山の模写に逢いたかったのかと、思いたくなります。2枚並べての展示も想像しましたが、これは雑音が入りますね。横浜美術館は特別会場の続きが常設会場なので、観客が観山の模写を見つけたら驚くでしょう。本家ミレイを見た感想は画面が大きい(模写のお約束事は、サイズを変えること)、観山はミレイに迫っていました(安易に”完コピ”とか言いたくないもので)。

ミレイがこの絵を描いたとき、騎士と囚われの美女の顔が向かい合わせとなって、卑猥だど非難されたました。描き変えられて美女がそっぽ向き顔が見えなくなりました。ルーブ美術館にはアンドロメダを救いに行く似た画題で、もっとエロい絵があるのですが、イギリスではだめだったようです。

日曜美術館で知ったのですが、観山がロンドンに留学していたときに模写されました。ロンドン在住の観山は、作品が描き上がると直ぐ日本に送って売っていましたが、ナイト・エランドは自分で持ち帰り、ずーと手元に。没後遺族が寄贈しました。観山はこれを何故模写したのだろうか?構図が良かったから?絵の勉強のためイギリスに渡ったのだから、勉強になるなら何でも描いたのでしょうが、ひょっとしたら観山は、模写しながら表現規制との闘い方を学んでいた気が、私にはするのですが。

— ヌード展@横浜美術館 (@nude2018)

— ヌード展@横浜美術館 (@nude2018)

闘う女流画家がいました。

闘うといえば、前半に展示している画家は、皆さん闘ってらっしゃいます。

女性画家アンナ・リー・メリット「締め出された愛」は裸の男の子がドアの前で半べそを書いている、後ろ姿の絵です。今見ると愛らしく、卑猥とは遠い絵画です。画家の夫が亡くなり半年後に描かれたものでした。当時の女性画家は、男性の裸を描くことを禁じられていて、この絵が、それをこじ開けました。会場で解説文をお読みください。

シュルーレアリスムは楽しい。

久しぶりにシュールレアリスムを、まとまって観て、やっぱりいいなと思いました。不遜な言い方をしますが、この展覧会で一番良かったのは、ポールデルヴォーの「眠るヴィーナス」かな。キュレーターからすれば、そこじゃないだろと、言われそうです。だって好きなんだもの。

ベルメールの球体人形も好きです。エロとか卑猥とかいっても、誰も傷けない(反論されるだろうが)。バルティスはもっと少女がエロいのにして欲しかったなー。マンレイのは"さんま女”と呼ばせてもらいます。楽しいなーシュルーレアリスム!

— ヌード展@横浜美術館 (@nude2018)

—— ヌード展@横浜美術館 (@nude2018)

ヌード NUDE 英テート・コレクション展 概要

w e b:美術館サイト http://yokohama.art.museum/exhibition/index/20180324-496.html

特設サイト https://artexhibition.jp/nude2018/

twitter https://twitter.com/nude2018(公開終了)

会  期: 2018年3月24日(土)~6月24日(日)
会  場: 横浜美術館
電  話: ハローダイヤル 03-5777-8600
休 館 日 : 木曜日 5/11(金)ただし5/3(木・祝)は開館
開館時間: 10:00~18:00 5/11(金)6/8(金)は20:30まで
(入館は閉館の30分前まで)
入 場 料  :一般1,600円(1,500円)大学・専門1,200円(1,100円)
中学・高校600円(500円)小学校以下無料( )内 20名以上団体
各種障がい者手帳お持ちの方は、本人と介護者一人まで無料
詳細はサイトで

お得情報

常設展示 横浜コレクションも鑑賞できます。

相互割引 東京藝術大学美術館「東西美人画の名作 《序の舞》への系譜」展の半券で、100円引き。

そごう・西武カート提示で、200円引き。

横浜美術館アクセス方法

webサイト:web http://yokohama.art.museum/
twitter https://twitter.com/yokobi_tweet
Facebook https://www.facebook.com/YokohamaMuseumofArt/
住   所:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
電   話: 045-221-0300

アクセス方法 サイトページ

電車
みなとみらい線(東急東横線直通)みなとみらい駅 3番出口から、マークイズみなとみらい グランドガレリア経由徒歩3分、または マークイズ連絡口(10時~)から徒歩5分。
JR(京浜東北・根岸線)・横浜市営地下鉄 桜木町駅から 動く歩道 を利用、徒歩10分。

バス
桜木町駅から、市営バス156・292系統で 横浜美術館 下車。


桜木町駅前から日本丸方面へ入る。または桜木町駅前から紅葉坂交差点を右折してMM21地区へ入り、美術館へ。
横浜駅からは高島町MM21地区入口を通って美術館へ。
いずれも3~5分(首都高「みなとみらい出入口」も利用できます)。

神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
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