トーク・セッション~禅を語る 禅に親しむ~鎌倉歴史文化交流館 2018年3月31日 お坊さんが語る修行のあれこれ。

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鎌倉歴史文化交流館 入り口
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鎌倉の禅宗のお坊さん4人のお話

鎌倉歴史文化交流館で、11月に真言律宗と真言宗の極楽寺・浄光明寺・覚園寺・明王院の僧侶による、トーク・セッション~仏教作法のイロハを学ぶ~がありました。こちらのイベントを逃してしまい、次にあるならば参加したいと思っていたところ、今度は臨済宗の僧侶のトーク・セッションがあるとのことで、行ってきました。

概要

トーク・セッション~ 禅を語る 禅に親しむ ~

日・時:2018年・平成30年 3月31日 土曜日・午後6時~7時半 開場午後5時半
場 所:鎌倉歴史文化交流館・エントランス
定 員:60人 抽選

講 師:鎌倉市内の臨済宗の僧侶

朝比奈恵温えおん(円覚寺派・浄智寺住職)
斎藤清健せいけん(円覚寺派・寿徳庵副住職)
菅原義功ぎこう(建長寺派・報国寺副住職)
山名田紹山じょうざん(建長寺派・禅居院副住職)

進行方法

鎌倉歴史文化交流館の学芸の方が司会していました。質問をしながら、話に出た「典座」「薬石」…多くの禅宗の用語を、エクセルに入力して、スクリーンに映して下さいました。

質問用紙が参加者に配られ、途中回収その中から質問と最後に質疑応答がありました。

鎌倉歴史文化交流館 エントランス

鎌倉歴史文化交流館 エントランス

トークの内容

話の順番は実際と前後します。
主催者の要望により、講師の個人情報は書きません。
勘違い聞き間違いもあると思いますが、そこはお許し下さい。

色々な法服で登場

6時丁度に始まりました。4人とも別々な僧侶の服装・法服での登場でした。

朝比奈さんは、少し偉くなると着れる「紫衣」、斎藤さんは禅堂僧の普段着の「従軍衣」、かつて従軍した時の法衣で、袂の長さが黒衣と比べると短い。普段着はあと作務衣(さむい)を着ます。菅原さんは「黒衣」で、儀式の取りまとめをする格好です。

山名田さんは、雲水で、禅宗道場に入門するときの、荷物菅笠など一式を持ってきました。雲水の衣は藍染で入門当時は肌が青が付くほど、着こまれていくと藍が薄くなります。(瓶覗きくらいの水色でした。)「手巾(しゅきん)」という太い丸絎紐を飾り結びにしたものを腰に巻いています。コルセット的なものではという意見もありました。

入門時には、「袈裟文庫」を首から掛けます。中身は経文・「持鉢」という5個組の食器・剃刀。本山が発行した「托鉢免許証」は木の札。自分の葬儀代金(会場がワーッとなる)。雨合羽は背中の荷物。

足には脚絆と藁草履を穿く。草履は藁が磨滅しやすいので、ビニール紐で自分たちで作ります。(めっちゃ!作り方を教えて欲しい!)

菅原さんより、建長寺派の住職さんは、渋い薄緑色「木蘭茶」の袈裟を贈られます。建長寺派の法要では皆さんこれを付けます。開祖の蘭渓道隆が持ち込んだものだそうです。写真は建長寺派寺院、常楽寺の文殊堂祭のもの。

常楽寺 文殊祭 

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道場はどう選び、どんな所?

朝比奈さんは円覚寺正続庵、斎藤さんは神戸の祥福寺、菅原さん山名田さんは京都の東福寺で「同夏(どうげ)=同僚」でした。

臨済宗では全国に10数か所、修行道場があり、入門者は自分で師を求めて入門します。お寺の子供であっても、お父さんが修行したという理由で同じ道場には行きません。

鎌倉には建長寺西来庵と円覚寺正続庵と二か所道場があります。同じ山ノ内町内です。これは京都を除くと、全国的には珍しいのだそう。修行道場によりお作法が少しづつ違います。円覚寺と建長寺での、衣の扱いの作法の違いについて見せてくれました。

道場の中には、山の中にあって土方仕事ばかりの道場もあるそうです。檀家の多い道場では檀家廻りも多くなります。

禅堂 専門道場によって、修行方法が違います。

朝比奈さんから円覚寺正続庵の話がありました。

朝3時に起きて、朝のお勤め朝食(呼び名を失念)10時に齋座(さいざ =昼食)5時(だったかな?)に薬石(やくせき =夕食)坐禅・お経・托鉢の他に。作務という農作業のような仕事があります。11時には寝ます。そのあと夜坐(やざ)といって自発的に、軒先などで坐禅をします。朝が早いので自由時間もあり。

東福寺で修行した二人からも、ほぼ同意されました。自由時間だけはなかったそう。

ここで、斎藤さんが修行した神戸の祥福寺の、起床時間が4時で、3人が「えっえー!」と声をあげて驚いてました。朝のお勤めでは、お経を上げながら、公案を解いて雲水さんがぞろぞろと、師の元へ行くことをしていました。これにも驚ろいていました。「お経が止まるでしょう」別のお坊さんの問いに、「お経の係りがいますから」と答えていました。

修行中の困ったこと

修行で嫌なこと、困ったことについての、質問がありました。

朝比奈さん

ひもじくはない。「典座(てんざ) =食事担当」が人数分用意してくれるから。
慣れるまで坐禅が厳しかった。
眠い。夜坐は先輩が切り上げてくれないと、寝れない。
風呂は五日に一度、「四九日(しくにち)沐浴」
入門六カ月はお寺から一歩も出れない。

斎藤さん

楽しかった。でも戻りたくない。
次の予定を教えてくれないので、困った

菅原さん

半年に一度、役が変わること。
2月1日と8月1日変わるが、前日に言い渡される。何が来るか分からない。

山名田さん

入門前、先輩方がお肌つるつるでした。耳だけは赤かった。
入門したら寒いのが辛かった。耳に霜焼けが出来ました。

坐禅中は何を考えているのか

朝比奈さん

修行中は、禅問答を考える、次の予定が気になった。
呼吸を整えると、何も考えることが出来ない。

菅原さん

雑念と雑念の間が短くなる。そうすると坐禅の時間が短く感じられる。
気持ちがよくなります。

報国寺の菅原さんには、梅かまくら特別参拝の坐禅体験でも、指導していただきました。

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悟りってどうなの

参加者からの質問で、悟るとはどういうことか、について質問がありました。

朝比奈さん

悟りについては、お話できません。
師匠は、弟子が悟りそうだと、分かります。
たとえ話で、蚕が糸を吐きだし、繭を作るとき、糸が白から透明になる瞬間がある。

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注意:日曜・祝日は閉館しています。

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twitter https://twitter.com/kamakura_kmhc
住  所: 神奈川県鎌倉市扇ガ谷1-5-1
電話番号: 0467-73-8501
メール :rekibun@city.kamakura.kanagawa.jp
休 館 日 : 日曜日 祝日
開館時間:10:00~16:00(入館は閉館の15:30まで)
入 場 料  :一般300円(210円)小・中学生100円(70円)()内は20名以上団体料金
下記の条件の人は無料です。
※鎌倉市内に住所を有する方のうち、65歳以上の方
※小・中学校の児童生徒で、鎌倉市内の小・中学校に通学する方または鎌倉市内に住所を有する方
※鎌倉市内に所在する小・中学校の学校行事として児童生徒とともに来館する引率者の方
※鎌倉市内に所在する高等学校の学校行事として来館する生徒および引率者の方
※身体障がい者手帳の交付を受けた方およびその介助者1名
※療育手帳の交付を受けた方およびその介助者1名
※精神障がい者保険福祉手帳の交付を受けた方およびその介助者1名

「鎌倉フリー環境手形」「七里ガ浜パーク&レールライド」「由比ガ浜パーク&レールライド」「江ノ島パーク&レールライド」「稲村ガ崎パーク&レールライド」をご利用の方は、おひとり様につき50円割引いたします。

学芸員によるギャラリートークは、祝日以外の土曜日の11時より。鎌倉国宝館の烈品解説が土曜日14時からなので併せて行くのもおすすめです。(12/4~1/3、まで鎌倉国宝館は休みでした。)

国宝館は、30分で、さくっと見られます。仏像好きは、ぜひ、行ってみて下さい。氏家コレクション展とアクセスデータ付き。
国宝館に行こうか迷っている人へ、30分くらいでサックと見れますよ。 仏像好きで、鎌倉観光に来る人で、鶴岡八幡宮の境内にある、鎌倉市立鎌倉国宝館に行こうか迷っている人がいるかと思います。寺院は4時に閉門するところが多いので、観光となると時間...

鎌倉歴史文化交流館アクセス方法 http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/rekibun/documents/access_map.pdf”>PDF

JR横須賀線鎌倉駅・江ノ電鎌倉駅 西口より徒歩7分

駐車場:なし 障がい者用の駐車場利用は、事前連絡。

神奈川県鎌倉市扇ガ谷1-5-1

鎌倉歴史交流館 エントランス

鎌倉歴史交流館 エントランス

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