今、流行の室町時代の鎌倉はどうだった?
2017年は呉座勇一氏の「応仁の乱」が大ヒットし、続く亀田俊和氏の「観応の擾乱」も重版を重ねています。室町時代が大ブームになりました。室町時代が好きなのでこのブーム定着していただきたいです。
室町時代の鎌倉はどうだったのか?北条氏滅亡で終わったのでしょうか?いやいや東日本に絶大な権力を誇った、鎌倉公方のもとで繁栄しました。今回の鎌倉国宝館は、足利尊氏の次男で初代鎌倉公方足利基氏にスポットを当てた展覧会です。
私の感想
たまたま学芸員さんのギャラリートーク(列品紹介)に当たりました。古文書・古地図など私は疎いので説明を受けさせていただいき、楽しく鑑賞出来ました。
そこで聞いた話も紹介します。
足利尊氏坐像 (栃木県・龍光寺)
今回の展覧会のメインヴィジュアルになっているお像です。最近は発見された足利尊氏の肖像画とも似ています。鎌倉公方の子孫の喜連川氏のお寺が所蔵していました。鎌倉の長寿寺の尊氏の像を写したもので、信憑性が高いそうです。
長寿に行くと、足利尊氏像が今も祀られたいます。(リンク先を見て)このお像は江戸時代に焼けてしまって、それから作った物で、信憑性は高く無いそうです。

唯一の彩色!地蔵菩薩像 足利尊氏筆(浄妙寺)
南北朝・室町時代が好きな歴史マニアさんは、足利尊氏が絵を描いた、地蔵菩薩の絵に興味を持つ人が多いですね。今回は鎌倉・浄妙寺の所蔵の彩色が施された地蔵像が展示されました。私が見た所、お地蔵様の衣に赤が使われています。尊氏さんいつこれを描いたのでしょうか?
今回の展覧会は公式に画像がないので、図録の販売を希望します。

足利直義の持仏、矢拾い地蔵
今回の目玉の一つが、鎌倉浄光妙寺の足利直義の持仏、矢拾い地蔵が展示されていました。直義がある戦いで矢が尽きかけていたところ、子供の僧が矢を拾って持っ来てくれました。よく見ると矢拾い地蔵さまでした。
普段は浄光妙寺の収蔵庫で拝見できるのですが、奥の方にありじっくり拝めません。今年になって新しく鎌倉国宝館に導入された展示ケースで、仏像の裏側まで見れました。
学芸員さんの話では、直義の時代、南北朝時代の作ではなく鎌倉時代に遡る、御像だそうです。頭が小さくて端正で素直な作の地蔵像です。

「もとうじ やしき」と書かれた、江戸時代の地図
鎌倉公方の屋敷は浄妙寺の東にあったそうです。鎌倉公方が鎌倉を去って数百年たっても、鎌倉の地図には「基氏屋敷」と記載がありました。これは面白いと思いました。
特別展「鎌倉公方 足利基氏―新たなる東国の王とゆかりの寺社―」はいよいよ本日最終日!!明日12/4(月)から来年1/3(水)までは、展示替・館内整理等のため休館します。次回展覧会は1/4(木)から「北斎と肉筆浮世絵ー氏家浮世絵コレクションの至宝ー」です。 #鎌倉 pic.twitter.com/KVLZPM4yGf
— 鎌倉国宝館 (@kamakura_museum) 2017年12月3日
今回の特別展の中心人物「足利基氏」は、室町幕府初代将軍、足利尊氏の息子で、二代将軍義詮の弟にあたります。基氏は、仏教への造詣が深く、和歌もたしなむ教養人でした。基氏の遺した様々な資料から、その人となりを身近に感じられるのも展覧会ならではの魅力です。#南北朝 #鎌倉 pic.twitter.com/bpBvM9X6wg
— 鎌倉国宝館 (@kamakura_museum) 2017年11月8日
歴史マニアの声が届いて、図録が出来ました。
今回の展覧会は古文書と古地図が多かったので、図録を作って下さい。公式が画像をネットに上げていない、矢拾い地蔵様の写真も欲しいです。鎌倉国宝館様においては、今回の展覧会に関わらず、室町時代の鎌倉、足利一族を幅広く紹介する図録を発行していただきたいです。
発売しましたら、室町クラスタ様たちが、鎌倉巡礼の際、鎌倉国宝館で、図録をお買い上げする思います。
それと、鎌倉国宝館様、今後も年一で良いので室町・戦国の鎌倉をやって下さい。お願いします。
追記、図録発売されました。鎌倉国宝館で買えます。
「特別展 足利基氏没後650年記念 鎌倉公方足利基氏 ー新たなる東国の王とゆかりの寺社ー」
足利基氏の動向が詳しく書かれています。お亡くなりなった時は、朝廷(北朝)は貴人が亡くなったときする、政務・儀式の停止を、七日間しました。基氏は公方になって以来京都には行ってないのですが、重視されていたのです。

鎌倉国宝館 鎌倉公方足利基氏展
鎌倉公方足利基氏展 概要
鎌倉公方足利基氏 ー新たなる東国の主とゆかりの寺社ー
w e b | サイト twitter https://twitter.com/kamakura_museum |
会期 | 前期 2017年10月21日(土)~11月12日(日) 後期 2017年11月14日(火)~12月3日(日) |
会場 | 鎌倉国宝館 |
休館日 | 月曜日 |
開館時間 | 10:00~16:30(入館は閉館の30分前まで) |
入場料 | 一般600円(500円)小中学生200円(100円)( )内 20名以上団体 鎌倉市内の小中学生と65歳以上は無料 各種障がい者手帳お持ちの方は、本人と介護者一人まで無料 |
鎌倉国宝館アクセス方法

webサイト | http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kokuhoukan/index.html |
住所 | 鎌倉市雪ノ下2-1-1 鶴岡八幡宮境内 |
電話 | 0467-22-0753 |
入場時間 | 9:00~16:30(入館は16:00まで) |
入場料 | 展覧会により変わります。 |
アクセス方法 アクセスページ
最寄駅:JR横須賀線線鎌倉駅・江ノ島電鉄鎌倉駅
徒歩 :鎌倉駅東口より15分
バス :江ノ電バス「鎌倉八幡宮」停留所もしくは京急バス「大学前」停留所から徒歩約3分
自動車:横浜横須賀道路「朝比奈」ICから車で約20分
鎌倉国宝館の企画展
2017年 鎌倉公方足利基氏展

2017年 優美なる慶派の仏展

2016年 氏家コレクション

2015

鎌倉国宝館 鎌倉公方足利基氏展