かつて平安時代の仏像がありました。
大町の横須賀線の踏切のそばに、辻の薬師堂・辻薬師と呼ばれるお堂があります。本興寺の向かい側になります。今はこのお堂だけ残ってしまいましたが、昔、長善寺というお寺がありました。維新のころ火事で焼けてしまい、この薬師堂だか残りました。横須賀線の建設にあたり現在の位置に移りました。
小さなお堂ですが、鶴岡八幡宮境内にある鎌倉国宝館に展示され、大きな須弥壇に載り大変印象的な、薬師三尊像と十二神将像が元あったお堂です。長善寺は奈良時代建立だそうです。
鎌倉国宝館
http://koten-kagu.jp/2018/08/17/kamakura-146/
薬師三尊像と十二神将は国宝館で見られます
この辻の薬師堂にあった、仏像は鎌倉国宝館に平成五年(1993)に移管され、14年かけ修理されました。調査によると、
薬師像は素朴な作風や一本作りの構造から、平安時代後期に作られたものでした。脇侍の日光月光菩薩像は江戸時代制作。そして十二神将像のうち八体は、鎌倉時代、四体は江戸時代の仏像でした。
十二神将は薬師如来を守護する神で、昼夜を12等分し、それぞれ子の刻を守る神、丑の刻を守る神がいます。
リンク先で写真が見れます。鎌倉国宝館収蔵品彫刻ページ
お賽銭を入れると明かりがつきます。
本物のお像は鎌倉国宝館、お移りしましたが、現在、国立東京博物館で制作されたレプリカがお祀りされています。魂も入っているので拝んでも願いは通じますよ。
なかなか参拝客に親切だなと思うのは、お賽銭を上げると、30秒間明かりがつきます。お賽銭の穴から覗くと仏様が見られます。穴からでも写真が撮れます。これはウレシイことです。

辻の薬師堂
お堂の扉の左側にお賽銭を入れる、穴があります。お賽銭を入れると30秒間明かりがつきます。

辻の薬師堂 お賽銭入れ お賽銭を入れると、30秒間明かりがつきます

辻の薬師堂 薬師三尊像と十二神将像
お賽銭の穴から撮影した写真です。
地元に人に愛されているお堂。
仏像に興味のある人は、鎌倉国宝館の十二神将像が元あったお堂は、一度は行ってみたいところです。ましてや奈良時代に創建されてたお寺で、一つだけ残ったお寺であれば見に行きたくなります。
辻の薬師堂は長善寺が廃寺になったので、地元の人たちに管理されています。小さなお堂で境内も狭いです。整備されていていて、地元の人に愛されているのだなと思います。由緒があるとか、寺院の位が高いとかではなく、近所の人に大切にされてる神社仏閣は行ってみて、気持ちが良いものです。

辻の薬師堂

辻の薬師堂
辻の薬師堂の由来
横須賀線の辻の踏切(現在は「三浦道踏切」と表示されています。)のそばに薬師堂があります。今これを辻薬師と呼んでいます。このお堂は源頼朝が、建久元年(1190)に東光院を建立したしたときには、その寺域内にあったというのです。東光院は医王山といって二階堂(鎌倉宮あたり)にあり、その土籠(つちごめ)に護良親王を幽閉した事件の後廃寺となり、宝永元年(1704)に大町の名越三嶽に移されました。(略)
長善寺は高野山金剛峯寺の系統で真言宗です。伝えられてたところによると、神亀年間(724~729 註:奈良時代)、鎌倉の豪族由比長者染谷太郎時忠が建立したということです。(略)維新前に焼失して廃寺となり、薬師堂だか残っていたのを、後に大町辻に移されました。
鎌倉子ども風土記
辻の薬師堂(つじのやくしどう)アクセスデータ
住 所: | 神奈川県鎌倉市大町2-4 |
入場時間 : | 特になし |
拝 観 料: | 無料 |
アクセス方法
最寄駅:JR横須賀線線鎌倉駅・江ノ島電鉄鎌倉駅 東口 徒歩14分
バ ス:
京急バス 鎌30鎌倉⇔新逗子 大町4丁目 3分 |
京急バス 鎌31鎌倉⇔緑ヶ丘入り口 大町4丁目 3分 |
京急バス 鎌12鎌倉⇔九品寺循環 元八幡 1分 |
近くの神社とお寺
本興寺

辻の薬師堂

由比若宮 元八幡


八雲神社 大町

上行寺

別願寺

安養院


辻薬師堂
2017年1月24日初出
2018年9月4日写真貼り換え
2022年2月11日改訂