円覚寺の国宝 舎利殿を見に行ってきました。
円覚寺の総合案内は、こちら。

2016年11月5日、円覚寺の宝物風入れと一緒に公開された、舎利殿を拝見しました。昨年に続いての拝見です。
元尼寺の仏殿でしたので、繊細で女性的な建物です。檜皮葺の屋根の曲線や細かい細工の欄間。窓や扉の形が、鎌倉時代の禅宗様式で、江戸時代以降建物には見られない形になっています。宋から影響を受けたエキゾチックなデザインです。
2017年の円覚寺の梅かまくら特別参拝で、突っ込んだ話が聞けました。

2016年円覚寺宝物風入れ

2016年建長寺宝物風入れ

2015年11月の舎利殿拝見


円覚寺 舎利殿
舎利殿の建築の特徴、鎌倉時代の禅宗様式
舎利殿の特徴
禅宗様式の建物として、国宝に指定されています。その特色として屋根の傾斜の美しさ、軒のそりの美しさと柱が細いことがあげられます。上段の垂木は扇の骨のように広がっているので「扇垂木(おおぎたるき)」と呼ばれています。
たおやかな曲線が特徴的な屋根は、さわらの薄板で葺かれた「杮葺(こけらぶき)」で、25年に一度は葺き替えています。

円覚寺 舎利殿

円覚寺 舎利殿の上段の「扇垂木」
波型の欄間
「弓欄間(ゆみらんま)」「波欄間(なみらんま)」と呼ばれている、装飾性の高い欄間です。欄間から内部に光と風を送り、建物の保存に役立っています。

円覚寺 舎利殿 欄間
鎌倉時代後期の特徴が出ている、花頭窓。
花頭窓・火燈窓・架燈窓などと書き「かとうまど」と呼びます。舎利殿の花頭窓は鎌倉時代後期の特徴が出ています。窓の外枠の縦のラインが真直ぐです。江戸時代以降の花頭窓は斜めに広がります。例、浄光明寺

円覚寺 舎利殿の花頭窓
舎利は源実朝が日本に招来しました。
舎利とはブッダの骨のことです。鎌倉幕府三代将軍源実朝が、仏舎利の夢を見て、宋の能仁時に使者を遣わして請来しました。鎌倉の大慈寺に安置され、そののち円覚寺に移つされました。
太平寺の仏殿がどうして、円覚寺に移築されたのか。
戦国ラブロマンス
戦国時代、弘治2年(1556)安房の里見義弘が鎌倉に攻め入り、鎌倉尼五山第一位の大平寺の住職、青岳尼を奪い妻としました。
青岳尼は小弓公方(おゆみくぼう)の足利義明の長女で、北条氏綱と里見氏が戦った第一次国府台合戦で父が討ち取られました。里見義弘は幼馴染だったという説もあります。
安房の国に連れ去られた、青岳尼のその後についてはよく分からないです。一説によれば、還俗してまだ髪が伸びないうちに、病死したという説があります。
武装軍隊を引き連れて、戦国武将が告白に来たのか!
古い本ですが類書がないので下にAmazonリンクの紹介します。青岳尼の話はもっと小説などになっていそうですが、意外にメジャーのものがありません。千葉県の人が喜びそうですけど。
大平寺の跡地は西御門の来迎寺のすぐそばにあります。

怒った!戦国大名北条氏康が移築させました。
鎌倉に攻め入った里見軍は、各所に火を放ち鎌倉の街を壊滅させました。(シン・ゴジラより悪質!)激怒した小田原北条氏の当主、北条氏康により、鎌倉尼五山一位の大平寺を廃絶しました。
このころ円覚寺は、度重なる火災により開山堂と昭堂(開山像を礼拝するお堂)を失っていました。北条氏康は太平寺の仏堂を円覚寺の昭堂として移築されました。このことは円覚寺古文書の北条氏康書状に書かれています。宝物風入れでこれも公開されています。

舎利殿の公開情報
一般公開日
円覚寺舎利殿の、一般公開日は、
☆年末年始
☆ゴールデンウイーク
☆11月の宝物風入れにあわせて
詳しくは円覚寺サイト内のブログ、居士林だより をチェックしてください。円覚寺の入場料の他別途入場料がかかります。
観光協会や市の観光課の方でも正確な情報が出ないようなので。確実に行きたい人は、円覚寺さんに電話してください。電話0467-22-0478
円覚寺の宝物風入れと舎利殿の概要
参考、2016年の円覚寺の宝物風入れと舎利殿公開の概要です。
日程 | 11月3日(祝木)~5日(土) |
時間 | 9:00~16:00最終日は15:30(注意:閉まる時間より早い) |
宝物風入れの場所 | 方丈 |
入場料 | 500円 中学生以下300円 |
抹茶席 | 抹茶券 1,000円 |
特典 | 舎利殿 見学 |
円覚寺サイト内 宝物風入れページ http://www.engakuji.or.jp/events_gyoji.html?no=2
居士林だより http://www.engakuji.or.jp/blog/

円覚寺 舎利殿
神奈川県立歴史博物館に原寸模型があります。
横浜市中区の横浜市営地下鉄馬車道駅下車の、神奈川県立歴史博物館に、舎利殿の原寸大の模型があります。もっと知りたいと思ったら行ってみてください。
神奈川県立歴史博物館サイト http://ch.kanagawa-museum.jp/
なお、2018年平成30年4月下旬まで、改装工事のため休館中です。パワーアップして公開してくれることを期待しましょう。
2017年の円覚寺の梅かまくら特別参拝で、突っ込んだ話が聞けました。

2016年円覚寺宝物風入れ

2016年建長寺宝物風入れ

2015年11月の舎利殿拝見
http://koten-kagu.jp/2015/11/05/dezain-40/
円覚寺アクセスデータ
円覚寺の総合案内は、こちら。

webサイト: | サイト http://www.engakuji.or.jp/ |
住 所: | 神奈川県鎌倉市山ノ内406 |
電 話: | 0467-22-0478 |
駐 車 場: | 円覚寺前駐車場 |
入場時間 : | 8:00~17:00 11月~3月は 16:00まで |
拝 観 料: | 一般・高校生300円 小・中学生100円 障害者手帳をお持ちのかた、およびその介護者(1名)、福寿手帳をお持ちのかたは無料。 |
御朱印受付: | 1件300円 |
アクセス方法
最寄駅:JR横須賀線線北鎌倉駅 徒歩1分 (総門まで)
バ ス:江ノ電バス 鎌倉駅⇔大船駅・本郷台駅・上大岡駅 北鎌倉駅バス停下車 1分
北鎌倉 山ノ内の紹介


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円覚寺






円覚寺 建長寺 宝物風入れ

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長寿寺、4~6月 10・11月 金・土・日曜・祭日 限定公開です




禅居院 非公開寺院をのぞいてきました

光照寺

成福寺 横須賀線で北鎌倉駅の手前で見えるあのお寺です、鎌倉ではレアな浄土真宗http://koten-kagu.jp/2016/09/29/kamakura-74/2016年11月16日初出
2018年2月2日題名改訂
2022年2月12日改訂