展覧会とは一味違う、宝物風入れ。
円覚寺の総合案内は、こちら。

虫干しなんです。
お寺の持っている宝物・古文書・代々の住職の持ち物から発掘品。これらを虫干しを兼ねて公開するのが、宝物風入れです。保存のため巻物は年に一度開くそうです。
作年2015年にも行ったのですが、展示場所が毎年同じで出品は同じ物です。「寶物目録」も同じ冊子を貰いました。
現在国立東京博物館で開催中の、特別展「禅ー心をかたちにー」 に出品されたり、円覚寺の後醍醐天皇の綸旨は修理で出てなかったりと、数点出品されてないものがありました。
すぐ目の前で見られる。
靴を脱いで、畳敷きの会場に入ると、掛け軸がずらーと鴨居からかけられています。ガラス越しでなく。近いところ、目の前で観らます。じっくりあの古文書を見たい人には、天国です。
2016年円覚寺舎利殿

2016年建長寺宝物風入れ

2015年の風入れの感想文です。


円覚寺 方丈入り口の唐門

円覚寺 方丈入り口
円覚寺 宝物風入れのおススメ
おススメポイント
布、特に中世の布に興味のある人。創建当時からの袈裟など、中国の南宋・元時代、鎌倉・室町時代の布を多数所蔵してします。輸入された金襴をパッチワークした数珠袋は興味深く拝見しました。
歴史好きな人には、天国のような場所でしょう。北条時宗から足利尊氏、足利義満、私がが見たところ南北朝あたりの古文書が目につきました。
お坊さんがお茶を立てます、抹茶席はおススメ
今回、会場で抹茶席によりました。料金が別に1,000円かかります。是非いただくことをおススメします。円覚寺の修行僧の皆さんです。修業で茶道を練習されているそうです。お点前、お運び、マイクでお茶事を説明する方すべて、墨染の衣のお坊様でした。これだけ僧侶が密集しているに出会うのは、久しぶりです。いいものです。
本格的にお点前の披露があります。抹茶を出すお寺は鎌倉に何か所かありますが、裏から点てられたものを持ってくる所がほとんどなので、茶道・お茶会に接する良い機会になります。茶席は、いす席も用意してくれます。茶道の心得がなくても、お運びさんが面倒を見てくれますので気軽に参加しましょう。
ちなみに、お菓子は北鎌倉駅前の″こまき”でした。鎌倉民的には嬉しいです。
お茶会の会場「呈茶室」に飾られていたのは 最も重要な品でした。これを見るためにも参加してください。
鎌倉時代の机がある!私の感想。
私は右往左往しながら、日本の古典デザインの家具デザインをしています。そんな私が注目したのは、やはり家具・調度でした。
唐櫃(からびつ)
唐櫃に注目しているは、私だけかも知れません。関東ではなかなか本物にお目にかかるれません。これが一番初めの展示品で畳の上においてあります。目録には載ってないのですが、掛け軸を収納している箱です。黒漆塗りです。
唐櫃は江戸時代には廃れました。安土桃山時代ぐらいまではオーソドックスな運送用具でした。箱に脚が付いているので、地面に置いたとき箱が地面に直接接しません。建築の床板が普及されなかった古代から中世には重宝されました。
これは中世・鎌倉時代のものかも知れません。実用品なので江戸時代以降ではないと思います。円覚寺の歴史をしのぶものです。
開山箪笥(たんす)
開山の無学祖元のものと伝わる品々を納めた箪笥です。桐製で江戸時代天保六年(1835)の作です(これは一目で江戸時代とわかりました=家具マニアなんで)前板を外すと、仁・義・礼・智 と書いた紙が貼られた引き出しがあります。
鎌倉時代の前机 重要文化財
抹茶をいただいた呈茶室の床の間にありました。鎌倉時代の物です。須弥壇の前に置く前机です。宋から禅宗の伝来と共に入ってきたデザインの家具です。宋の意匠どのくらいこの家具に反映しているかわかりません。嫌味のないデザインです。
私的にはこれが最高の品、お茶事のあとのじっくり拝見しました。欄間の透かし彫りが菊でした。これは写真では分かりませんでした。
南北朝~室町時代の古文書
twitterで遊んでもらっている人が、南北朝好きのこともあって、この辺りの歴史が気になっております。最後の鎌倉執権北条高時、後醍醐天皇、足利尊氏、足利義満、鎌倉公方の足利持氏の文書が出ています。歴史好きさんには堪らないですね。
売店で売っている、展覧会の図録
円覚寺の入り口の売店で、円覚寺の本と一緒に、平成18年に五島美術館で行われた展覧会の図録が売られています。下の写真に写っている緑色の本です。
「鎌倉円覚寺の名宝」五島美術館
宝物風入れの品の、写真と説明が出ています。布関係のボリュームが多いです。興味のある人は買っ見てください。
2015年の風入れの感想文です。


宝物風入れでいただいたものと図録
宝物風入れの概要と、見学にかかる時間のめやす。
円覚寺・建長寺の宝物風入れの概要
2016年の円覚寺・建長寺の宝物風入れの概要です。 サイトで確認してください。
円覚寺 | 建長寺 | |
日程 | 11月3日(祝木)~5日(土) | 11月3日(祝木)~5日(土) |
時間 | 9:00~16:00最終日は15:30 | 9:00~16:00 |
場所 | 方丈 | 方丈 |
入場料 | 500円 中学生以下300円 | 500円 |
抹茶席 抹茶券 1,000円 | 休憩所 けんちん汁 | |
特典 | 舎利殿 見学 |
円覚寺サイト内 宝物風入れページ http://www.engakuji.or.jp/events_gyoji.html?no=2
居士林だより http://www.engakuji.or.jp/blog/
建長寺サイト https://www.kenchoji.com/
かかる時間 各会場1時間くらい
JR横須賀線北鎌倉駅→円覚寺総門 1分 →方丈 宝物風入れ会場 徒歩5分
宝物風入れ鑑賞・抹茶席をじっくり見て約60分
舎利殿 入場客が並んでなけれ約10分
仏堂を拝観し総門へ約15分
円覚寺→建長寺 徒歩15分
建長寺総門→方丈 宝物風入れ会場 徒歩5分
宝物風入れじっくり鑑賞約60分
法堂・仏堂拝観約15分
宝物風入れの会場は、じっくり見ても円覚寺・建長寺とも各一時間。円覚寺、建長寺の間は徒歩15分くらいです。宝物風入れだけ見るなら2時間30分になります。

円覚寺 舎利殿

円覚寺 舎利殿
円覚寺アクセスデータ
円覚寺の総合案内は、こちら。

webサイト: | サイト http://www.engakuji.or.jp/ |
住 所: | 神奈川県鎌倉市山ノ内406 |
電 話: | 0467-22-0478 |
駐 車 場: | 円覚寺前駐車場 |
入場時間 : | 8:00~17:00 11月~3月は 16:00まで |
拝 観 料: | 一般・高校生300円 小・中学生100円 障害者手帳をお持ちのかた、およびその介護者(1名)、福寿手帳をお持ちのかたは無料。 |
御朱印受付: | 1件300円 |
アクセス方法
最寄駅:JR横須賀線線北鎌倉駅 徒歩1分 (総門まで)
バ ス:江ノ電バス 鎌倉駅⇔大船駅・本郷台駅・上大岡駅 北鎌倉駅バス停下車 1分
北鎌倉 山ノ内の紹介


明月院




円覚寺




http://koten-kagu.jp/2015/11/06/dezain-41/
http://koten-kagu.jp/2015/11/05/dezain-40/
円覚寺 建長寺 宝物風入れ

浄智寺


円応寺

長寿寺、4~6月 10・11月 金・土・日曜・祭日 限定公開です




禅居院 非公開寺院をのぞいてきました

光照寺

成福寺 横須賀線で北鎌倉駅の手前で見えるあのお寺です、鎌倉ではレアな浄土真宗

2016年11月10日初出
2018年2月2日題名改訂
2022年2月12日改訂