今年は、鈴木其一(きいつ)が盛り上がっています。
7月3日に、出光美術館の「美の祝典Ⅲ江戸絵画の華やぎ」展と日本科学館の「忍者ってナンジャ!?」展と、夕方から山種美術館のブロガー内覧会で「江戸絵画への視線」をはしごしました。
忍者展もインパクトがありました。この日はわたしは出光美術館と山種美術館で、鈴木其一を発見しました。衝撃でした。酒井抱一の弟子なので其一のことは知っていたのですが、師匠の代筆をしてもすぐバレルほど個性の強い画家です。
わたしめだけが「鈴木其一にびっくり!」と思っていたら、美術館関係者も注目していて、サントリー美術館で、鈴木其一の展覧会を開催されましたので、駆け付けた次第です。


金屏風で雉のカップルと鶏一家が向かい合う構図。


江戸琳派の筆頭として、幕末を駆け抜けた、鈴木其一
酒井抱一の一番弟子
鈴木其一は寛政八年(1796)に江戸に生まれました。18歳で琳派を再興した酒井抱一の弟子になります。兄弟子の死により鈴木家に養子に入り、姫路・酒井藩の藩士になりました。
33歳のとき師の酒井抱一が亡くなり、江戸琳派をけん引。天保4年(1833)に関西・姫路・四国・九州を旅行、安政5年(1858)コレラのため、63歳でなくなりました。
其一は画家以外にも、光琳・宗達の絵を売る画商であったり、江戸琳派の画家たちの絵を売るために人気のある正月、ひな祭りなどの節句行事の絵を描いたりと、商才もありました。
注文主の興味にあわせて制作することもしていたそうです。今回話題の里帰りした、「朝顔図屏風」もそうして制作されたそうです。
其一はお酒が好きで、蕪の漬物が好きで、撫子を栽培していました。
真正面から描いて、人工的にとらえる。
山種美術館の学芸員の三戸信恵さんの話によると、鈴木其一は人工的にとらえて、物を正面から描く人だそうです。
サントリー美術館の会場でも。正面に向いた、桜の花、いろいろな種類の葉っぱ、「繭玉図」では「火之用心」の注意書きの札がドカーンと正面向いて貼ってあります。山種のエントリーでも書いたのですが、普通の画家であればナチュラルに見せたいので、斜めにしたりと角度をつけるところ、ついつい正面に書きたくなる人です。
大名家のお抱え絵師でしたので、武家の式楽・能の絵も描いています。これが能面を付けているのがくっきり分かるものでした。一見人形みたいに見えますが、かなりの写生力です能楽師の個性が伝わります。
「夏秋渓流図屏風」の展示を見ました。これぞ人工美の極致、高価な顔料を惜しげもなく使い毒々しい色使い、波紋も杉木立も百合の花も細部を見ると、正面をむいています。絵は破たんもしていません。そのようなことを突き抜けて、まともに見えてしまう技量はさすがです。
鈴木其一は他の画家とは違う描き方します。それにもかかわらず其一に引き付けられるのは、写生の積み重ねと、技量だとつくづく思いました。其一がどのように写生をしたか、のぞいて見たいです。
図録、掲載作品が多いです。
サントリー美術館のあと、姫路市美術館、細見美術館館と巡回があり、長期の展示に日本画が向かないこともあり、掲載作品が展示会場で見る作品よりも多いです。展覧会場で見れなかった鈴木其一の他の作品も見られます。
鈴木其一の本が欲しくて、amazonを見たのです。2,800円で図録が価格で安かったです。買ってよかった、でも重たい!
この図録の装丁なのですが、絵ではなく「描表装」というもので、絵を表装する掛け軸に其一が絵を描いたものです。このよう作品が会場に何作もありました。装丁に使われたものは「夏宵月に水鶏図」其一は撫子の栽培をしていたそうです。
厚くて重いのが欠点。そろそろ図録を電子書籍にして欲しいです。

鈴木其一展図録
お得な情報
六本木アートナイトで、超お得!
10月22日土曜日は「六本木アートナイト割引」のため、22時まで開館、
一般・大学・高校生は、一律、500円。
いろいろあります。100円割引
きもので来館
ホームページ限定割引券 こちらのページを印刷 http://www.suntory.co.jp/sma/map/
携帯・スマホの画面を見せて割引 こちらのページ http://www.suntory.co.jp/sma/map/の割引クーポンのバーコードを取得
あとろ割 新国立美術館・森美術館の企画展チケットを提示
20名以上の団体
鈴木其一 江戸琳派の旗手展 概要
w e b: | 特別サイト http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2016_4/index.html twitter https://twitter.com/sun_SMA |
会 期: | 2016年9月10日(火)~10月30日(日) |
会 場: | サントリー美術館 |
休 館 日 : | 火曜日 |
開館時間: | 10:00~:18:00 毎週金・土曜日9/18(日)9/21(水)10/9(日)10/2は20:00まで10/22(土)22:00まで(入館は閉館の30分前まで) |
入 場 料 : | 一般1,300円 大学・高校1,000円 中学生以下無料 20名以上で団体割引100円引き 各種障がい者手帳をお持ちの方は、本人と介助者1名は無料 詳細はサイトで、 |
巡回展 姫路市立美術館 2016年11月12日~12月25日 細見美術館 2017年1月3日~2月19日
サントリー美術館アクセス方法
webサイト: | web http://www.suntory.co.jp/sma/ twitter https://twitter.com/sun_SMA |
住 所: | 東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階 |
電 話: | 03-3479-8600 |
アクセス方法 東京ミッドタウン入り口
地下鉄 | 都営地下鉄 | 大江戸線 | 六本木駅出口8 | 直結 |
東京メトロ | 日比谷線 | 六本木駅より地下通路 | 直結 | |
東京メトロ | 千代田線 | 乃木坂駅出口3 | 徒歩3分 | |
バ ス | 都営バス | 都01 渋谷⇔新橋 | 六本木 | 下車徒歩2分 |
ちぃばす | 赤坂ルート田町ルート | 六本木7丁目 檜町公園 | 下車1分 |