鎌倉で一番美しい寺
長寿寺の観光に役立つ、アクセスデータはこちらのエントリーです。
「鎌倉で、一番美しい寺は、」と問われたら。私は山ノ内の長寿寺と答えます。これは私個人感想です。北鎌倉駅からか建長寺に向かう鎌倉街道の途中、亀ヶ谷の切り通しに向かう、右手角に、この非公開寺院はあります。秘められているからの美しさです。
幻想的だった出会い。
私がこの寺院をはじめて訪れたのは、10代のころです。春の宵、境内には、私の他誰もいませんでした。見慣れた門から入ると。幻想的!ひなびたお堂、観音堂が建っていました。当時幻想文学にはまっていたこともありますが。このときの光景は、この世ならざる美しさでした。
知らざれる、名門寺院。
9月に浄智寺の訪問した後、長寿寺のそばの、お気に入りの喫茶店備屋珈琲店に行きました。お散歩する時は、いつもここでお茶しています。長寿寺も行きたいなと思い山門のお知らせ見たら次の週末からと知り、さっそく伺った次第です。
門前の鎌倉街道はたくさんの人が歩いていました。googleの口コミ情報が3件(2015年10月4日現在)しかないくらい。情報がないせいか皆さん通り過ぎていました。大きな建長寺さんがあるのでやむなしかな。
それでも、公開日だと知ってか知らずか、何組もお客さんが来ていました。やっぱりいました。一眼レフカメラを構えた方。一部の人たちには知られているのか。
正面の仏殿は、平成になってからの建て替えだそうです。玄関から上げてもらい、仏殿と庫裡を自由に拝見されていただきました。檀家の方でしょうか、案内方が何人もいて、紅葉の絵葉書をいただきました。寺内はよく掃除され綺麗です、特にお庭は苔が綺麗でした。これは手を掛けないと銭苔とか生えてくるので、大変だと思います。
このお寺は、将軍、足利尊氏のお墓があります。格式の高いお寺で、上品さを感じるのは、そんな来歴からだと思います。一番に感じたことは、信仰の寺で、禅寺として機能しているのだ。凛とした信仰の場に、特別に入れて頂く感じです。観光ではなく、参拝である。
観光寺院をいう言葉があります。拝観料が入ることで、整備されることもあるので否定的にとらえたくありませんが。公開寺院と一線が引かれている気がいたしました。
長寿寺に行きたくなったら、観光に役立つアクセスデータ付き エントリー。
観音堂はどうして、美しいのだろう。
ただいま週末と祝日に公開の、長寿寺です。はじめて行ったときに。「幻想的」と大感激しました。その観音堂を考察します。
その前に、家に帰ってから思ったのですが、長寿寺は、足利将軍尊氏のお墓のある、最上流階級のお寺です。足利将軍家という、源氏の本流に近い一族、超セレブ。清潔感とか、凛としたとか表現するより。上流階級の美しさ。皇室の美にも通ずるものが、この寺には通底にあるように思えます。

長寿寺 観音堂

長寿寺 観音堂

長寿寺 観音堂
改め見直すと、女性好みのお堂ですな、細かく絵が描かれてマティーエルに手抜き無し。建築デザインも洗練されています。一見どこにでもあるそうな、田舎屋に見えました。子細に見るとプロポーションが取れていて、名門の上品さがあります。藁葺屋根は、この地ででも、寺社のほかに民家でもしばしば見受けられますが。このお堂は、素朴で、野趣があるものというより、女性的で、計算された印象があります。
保存についても、多くの藁ぶき屋根の建物が、朽ち果てようとしているのを見ているので。手間とお金がかかった、建物だと思います。寺院と檀家さんの、努力と。何より生きた信仰を感じます。
一件どこにでもありそうな、庶民的な藁葺づくり、でも上流階級でなければ作りえない、洗練された作り、プラス、手入れが行き届いて、清らか。このギャップが、幻想的と感じさせてのでしょう。
幻想文学とは、緻密に描写された日常の先にある、というようなことを発言された、幻想文学作家がいました。(確認できなくてすみません。同じ山の内に住んだ、故、澁澤龍彦 かと思います。)しっかりとした輪郭線の現実の延長線に、精神世界があります。少し覗かせて頂きました。

長寿寺 観音堂

長寿寺 山門

長寿寺 観音堂
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春の公開は日、4月・5月・6月、秋の公開日は、10月・11月の金・土・日・祭日の10時から15時、雨天中止だそうです。
北鎌倉 山ノ内の紹介
東慶寺
円覚寺 建長寺 宝物風入れ
2016年5月31日URL変更・改訂
鎌倉の、ヴィジュアルの良いところを紹介する、ガイド記事を、目指して書いています。
ブログを書くときは、実際に神社仏閣に行って、情報を足で歩いて探して書いています。今のところ有名な名所が、抜けていますが、ご容赦ください。鎌倉市内の観光エリアの寺院はすべて取り上げる予定です。
当ブログ管理人 山本は鎌倉に住んで47年になります。鎌倉市民だから知っている、情報も書きます。他で読むことのない、鎌倉観光情報サイトにいたします。
鎌倉らしい日本の古典デザインの、家具をデザインしたいと思っています。鎌倉の名所めぐり、勉強になります。デザインのヒントもいただけて、ワクワクしながら、取材しています。