神奈川近代美術館鎌倉館と大谷石
一月に閉館する、神奈川県立近代美術館鎌倉館で、気になるテクスチャーを見つけたので、それについて。
神奈川近代美術館、鎌倉館の最後の展覧会を見に行きました。

人を、ドラマティックに見せる空間。神奈川県立近代美術館 鎌倉館。

建築家・大高正人と鎌倉別館展 神奈川県立近代美術館鎌倉別館 2017 建築で振り返る鎌倉別館

気になるテクスチャー、大谷石
気になるテクスチャーとは、大谷石です。一階部分に多く使われています。
大谷石は、フランク・ロイド・ライトの帝国ホテルで有名です。20年くらい前まで、関東地方ではふんだんに、使われた石材でした。うちの塀も大谷石です。ひと頃から見なくなったのでが、2010からまた採掘流通しているようです。
大谷石は柔らかい石で、暖かみがあります。ぽろぽろと崩れ易いです。関東地方ではエクステリアや土木石材として、多く見られる石材です。
大谷石は、ひと頃、流通が止まっていました。久しぶりに大谷石を、じっくりと見ました。大谷石ってクリーム色の優しい色をしているんだと、再認識。
鎌倉館の建物の外壁も大谷石でした。仕切りの壁も大谷石です。モダン建築にありがちな無機質感を回避しています。大谷石ではなく他の石材、素材だったらと想像すると違った印象でしょう。ドラマティックなつくり?にもかかわらず。不思議と緊張感がありません。2階はの開口部は、黒塗りの鉄骨に、白い漆喰のようです。広い面積ではありませんが、変化が付けられています。
近現代美術館のパイオニア、神奈川県立近代美術館
1980年代まで、近代美術を専門に見せる美術館はありませんした。パイオニアとして、近代・現代美術館の、見本です。新しい美術館が出来ると、当たり前のように建築家の名前が上がり。所蔵品なし、の箱ものでスタート。ローカルの作家にスッポトをあてる。鎌倉館がなければ、全国の公立美術館が、出来なかったかも。ひいては国立の美術館で。現代美術が取り上げることも、遅れたかもしれないです。
折々に、来ていた地元民としては、次はどう使われるのか、発表はないですが、耐震工事が終わったら、とりあえず、見に行きます。
2019年鎌倉文華館鶴岡ミュージアムとして生まれ変わりました。
新しい時代のはじまり 鎌倉文華館鶴岡ミュージアム 2019 コルビュジェの弟子坂倉準三の建築をじっくり鑑賞してきました。

2015年10月27日初出
2018年2月3日改訂
2022年3月16日改訂