補陀洛寺は、海岸近くの、源頼朝と文覚上人、ゆかりの寺です。
2022年は大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の年です。市川猿之助の文覚上人は、つかみどころが無い強烈なキャラクターで、登場するたびにtweeterで話題になります。
文覚は不倫相手の人妻を、夫と間違えて殺害して、出家して僧侶になりました。源頼朝とは伊豆の流人の頃からの知り合いです。
そんな頼朝と文覚が、鎌倉の海辺に作ったお寺が、補陀洛寺です。サーファーがいる材木座海岸から少しだけ入った所にあります。
いつも補陀洛寺には、鎌倉駅方面も大町から歩いて行きます。
今回は、気持ちの良い天気でしたので、鎌倉駅から若宮大路を海まで歩き、海岸沿いの国道に左折して海を見ながら歩きました。海から補陀洛寺に行ってみました。海に近いお寺なんです。
補陀洛寺の解説


補陀洛寺
平家の赤旗の公開の概要
- 期間 「鎌倉まつり」期間中(4月第2日曜日~4月第3日曜日)から5月末日まで
- 時間 ~17:00 法事中は見学できません。(電話で聞いてください)
- 参拝方法 本堂の左にある、寺務所に声を掛けてください
- 入場料 志納 賽銭箱に入れてください
平家の赤旗を見て参りました。
公開期間中でも、境内に看板はなかったです。本堂の右にある寺務所で声を掛けて、入り口のカギを開けて貰い、本堂の中に入りました。
当サイトでは、写真撮影禁止と、写真のネットでの公開禁止をしている場所の、写真は公開しない方針です。
補陀洛寺は「竜巻寺」といわれ、何回も火災にあってきました。それでも仏像や古文書を火事から、救い出してきて今に伝えています。
「鎌倉 仏像さんぽ ~お寺と神社を訪ね仏像と史跡を愉しむ~」にイラストが掲載されています。
平家の赤旗
壇ノ浦の戦いで、平家の大将、平宗盛が最後まで持っていた、平家の赤旗です。
宗盛は源義経に連行され、鎌倉に送られて、壇ノ浦から3ヶ月後の元暦2年(1185)6月5日に、頼朝の前に引き出されました。
平家の赤旗は、漆塗りの額縁に入れられ展示されていました。その額縁に「源頼朝公寄付」の文字がありました。
赤旗は色あせて、かろうじて元は赤だったのが、分るくらいです。墨書きの文字がはっきり読めます。八百年前の伝説の旗の実物がここにありました。
文覚上人裸形像
文覚上人の木像は、ふんどし一丁の裸のお像です。裸で腕組みをして坐り、首をかしげて考え事をしています。
小さなお像ですが、異様な雰囲気を漂わせる、鬼気迫るものがあります。
鎌倉の成就院にも、同様のお像があります。境内にある、レプリカの写真を代わりに載せておきます。
2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の、文覚上人役の、市川猿之助に似ている気がします。

成就院 境内の文覚像 レプリカ
成就院と虚空蔵堂 (極楽寺 坂下) 海と寺と紫陽花で、鎌倉最強マーケティング、アクセスデータ付き。

源頼朝木像 自画像ならぬ、頼朝が彫った、”自彫り像”?
かつては頼朝肖像画といば、京都の神護寺の肖像画が有名でした。口髭のイケメン像は教科書に載っていました。
1990年代に足利尊氏の弟で、有能な政治家だった足利直義像とするのが、美術学会・歴史学会の大勢になりました。今でもイケメン頼朝を支持している学者さんもいます。
現在、最も頼朝に近い肖像は、山梨県の甲斐善光寺の頼朝の木像という説が出ています。北条政子の命により制作された、鎌倉前期の木造です。
補陀洛寺にある頼朝像は、頼朝自身が自分で彫刻した像だそうです。自画像ならぬ”自彫り像”?
ガラスより写りの悪い、金属の鏡しかない鎌倉時代に、自画像を描くのは大変です。
他人に彫刻してもらった方が、手っ取り早いと思います。自彫り像は本当なのでしょうか。
補陀洛寺の頼朝像を見ると、甲斐善光寺の頼朝像に輪郭が似ています。もしかして・・・(個人の意見です)
【平安時代の作】本尊十一面観音像、木造不動明王像、日光・月光菩薩、
補陀洛寺の仏像は小ぶりな仏像です。災害や火災があるたびに、お寺の人が避難させたお像です。平安時代の仏像もありました。
- 本尊、木造十一面観音立像
- 木造不動明王像 平安時代の作と伝わっています。
- 木造薬師如来像及び両脇侍菩薩立像
- 木造秘鍵大師立像 永和3年(1377)年の銘があります。
その他の寺宝として、文覚上人の筆の頼朝の位牌もありました。
鎌倉時代の歴史触れるお宝が、ここまであったとは驚きました。
頼朝がプレゼントしたテーブルクロス
個人的に興味を持ったのは源頼朝寄贈の「卓圍」です。解説によるとテーブルクロスでそうです。
「卓圍」をグーグルで調べたら、「新編鎌倉志」の補陀洛寺の記述でした。この言葉はここでしか使われていない模様です。
白地に植物文様の緞子に、私には見えました。黒い烏に見える動物が植物紋の上に織られているようにも見えます。染織に詳しくないので、これが何の模様でどこの産地か分かりません。
平家の赤旗と同じく、額縁に入れて展示されています。
私個人的には、布地に興味があるので、中国から輸入されたものかなと推測しました。鎌倉の遺跡からは中国の陶磁器が多量に出土しています。きっと布製品も沢山あったのでしょう。
日本の布、平安時代の有職故実文様とは、異なる感じがしました。
布の時代が判明すれば、補陀洛寺のスポンサーの頼朝が、文覚に贈った可能性が出ます。信者が豪華な布を、寺院に寄贈するのは、昔からの風習ですね。
お寺に行くと、お堂の内部を、金襴など豪華な布で飾っていますね。お坊さんの袈裟も派手な金襴が使われています。
西陣の金襴の織屋さんといえば、女性の着物の帯を織っている、会社だと思いますよね。意外なことに現在でも、寺院専門の金襴の織屋さんがあります。お寺さんの金襴の需要はあるんですね。
補陀洛寺 アクセス方法
補陀洛寺の観光データ
2022年5月調べ
webサイト | なし |
住 所 | 神奈川県鎌倉市材木座6-7-31 |
電 話 | 0467-22-8559 |
入場時間 | 17:00まで |
拝観料 | 無料 |
トイレ | なし 近くの材木座海岸の公衆トイレか、近くの飲食店を利用してください。 |
平家の赤旗は「鎌倉まつり」期間中(4月第2日曜日~4月第3日曜日)から5月末日まで公開されます。拝観料は志納。
補陀落寺 材木座 頼朝と文覚上人ゆかりの海辺の寺、アクセスデータ付き。

アクセス方法
最寄駅:JR横須賀線線鎌倉駅・江ノ島電鉄鎌倉駅東口
バス :鎌倉駅東口 京急バス 九品寺循環 小坪経由逗子行き 材木座 下車2分
神奈川県鎌倉市材補陀落寺 材木座 頼朝と文覚上人ゆかりの海辺の寺、アクセスデータ付き。

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