日蓮上人ゆかりの松葉ヶ谷
目次
安国論寺は妙法桜・海棠など、有名な花が咲き、四季折々の花が咲く風情のあるお寺です。近くに妙法寺・大宝寺・長勝寺と観光スポットもあり、散策しながら鎌倉の歴史に出会える、寺院なのです。ハイキングコースさながらの山道を行くと、富士見台という鎌倉の町が見渡せる所もあります。バラエティーに富んだ楽しめるお寺です。
安国論寺のある一帯は、松葉ヶ谷と言われ、日蓮宗の開祖日蓮上人が、鎌倉での布教の場にしました。「立正安国論」を文応元年(1260)に境内の御法窟で書き上げました。それを時の執権北条時頼に上奏したことにより、危険思想とみなされ日蓮は迫害されました。四大法難の松葉ヶ谷焼き討ちにあい、白い猿の導きにより境内の南面窟へ避難しました。

安国論寺 日朗上人御荼毘所
見どころ その1
庭
妙法桜・海棠・山茶花と、いずれも鎌倉市の天然記念物です。季節の花々が咲く庭園なのです。境内で印象的なのは大きな石灯籠。これは東京の増上寺から移されたものだそう。

安国論寺 桃の花

安国論寺 庭
総門
安国論寺の門前には、枝垂れ桜があり、花の頃は風情があります。総門は江戸時代の四脚門です。
延享三年 四脚門 棟柱・海老虹梁式 一間×二間 切妻・瓦葺き 丸柱 三斗詰組

安国論寺 総門
本堂
本堂は近代のものです。控えめな装飾で好感が持てます。

安国論寺 本堂
御小庵
御小庵は日蓮が「立正安国論」を書いた、岩窟、御法窟の前に守るように建てられています。江戸時代後期に尾張徳川家により建てられました。江戸時代の建物らしく彫刻が施されています。派手にならず品格があり、粋すら感じさせるのは、江戸の大名らしいです。屋根は中央にピラミッド状に屋根が集まる、宝形作りです。
天保11年 三間堂 三間×三間向拝付き 宝形造り・瓦葺 丸柱 出組詰組

安国論寺 御小庵

安国論寺 御小庵
熊王殿 熊王大善神尊殿
御小庵の右隣りにある、正面はガラス貼りのお堂があります。これは日蓮上人にお仕えした熊王丸が感得された鎮守様で、厄除け・眼病平癒・歯痛止め・縁結び・交通安全・学問成就、霊験とあらたかです。

安国論寺 熊王殿
日朗上人御荼毘所
なかなか良いのヴィジュアルのお堂です。現代の建築になります。
このお堂は、日蓮の弟子で高僧の、日朗上人の火葬場の跡です。日朗上人は下総の出身で、この松葉ヶ谷で出家得度しました。元応二年(1320)に遷化しました。遺言により出家得度した、松葉ヶ谷で荼毘にふすことを願いました。

安国論寺 日朗上人御荼毘所
見どころ その2 山路・巡礼路
安国論寺には、日蓮上人ゆかりの場所を巡るため、山道。距離は短いですがハイキング道を通ります。山路には木の根が張り、足元が悪いです。急な階段もあります。ハイキングに行ける靴を履いていくことをおススメします。足腰の悪い人は止めましょう。
入り口は 熊王殿の脇の石段と、日朗上人御荼毘所のそばの坂道
山道への入り口は二か所です。熊王殿の右脇の石段を登るか、日朗上人御荼毘所のそばの坂道を登ります。結構急なところもあるので、気を付けて下さい。

安国論寺 熊王殿脇から登る石段 かなり急角度です。

安国論寺 南面窟下の石塔
富士見台 日蓮上人も毎日眺めました。
日蓮が毎日ここから富士山に向かって、法華経を唱えていた場所です。富士山の方向に向いていて、鎌倉の町や材木座の海が見れます。なかなかの眺望です。安国論寺は何度か火災にあっているので日蓮の時代の遺物はないのですか、まごうことなく富士見台の景色は日蓮が見ていたものです。

安国論寺 富士見台より 鎌倉の町と由比ガ浜を望む
平和の鐘
山道の中間にあります。近年人間国宝香取正彦氏の手により、鋳られた鐘です。鐘の「立正安国」の文字は日蓮上人の直筆から取られました。

安国論寺 平和の鐘
南面窟 白い猿が日蓮を救いました。
日蓮の法難の一つ、文応元年(1260)の松葉ヶ谷の焼き討ちのとき、日吉大社のお使いの白い猿が、南面窟に案内しました。その後逗子の法性寺に逃れました。

安国論寺 南面窟
光則寺 日朗上人が閉じ込められた土牢があります。
こらむ、鎌倉一コスパがいいかも!
安国論寺に行ったとき、見るところも多いし、お庭も綺麗だし、ミニハイキングも出来るし、富士見台からは眺めがいいし、お得なお寺だと思いました。歴史好きな人にも教科書に出ている「立正安国論」の書かれた地でもあります。
それなのに拝観料が、100円です、コスパが良すぎます。
鎌倉のもっと大きなお寺は、見どころ観光スポットも多いのす。他のお寺とのアクセスの良くて、拝観料100円のお寺で、これだけ楽しめるお寺はありません。

安国論寺 庭
安国論寺とは
宗派 日蓮宗
山号寺号 妙法蓮華経山 安国論寺
創建 建長五年(1253)
開山 日蓮上人
本尊 南無久実成本師釈迦牟尼仏
一帯を松葉ヶ谷といい、建長五年(1253)、安房国から鎌倉に入った日蓮上人がはじめて庵を結んだ場所として知られる。彼はおよそ二十年をこの地で過ごし、その聖跡が寺となった。
「松葉谷根本道場」と彫られた石碑のある山門をくぐると、石畳の参道左側に東京・増上寺の徳川家御霊屋から移されてという石灯籠が並ぶ。参道正面に大きな本堂がある。
鎌倉の寺 小事典
アクセスデータ
webサイト: | なし |
住 所: | 神奈川県鎌倉市大町4-4-18 |
電 話: | 0467-22-4825 |
お 休 み: | 月曜日 |
入場時間 : | 9:00~16:30 |
拝 観 料: | 100円 障がい者とその介護者1名は無料(要障がい者手帳) |
御朱印受付: | あり |
アクセス方法
最寄駅:JR横須賀線線鎌倉駅・江ノ島電鉄鎌倉駅 東口 徒歩13分
バ ス:京急バス 鎌30鎌倉⇔新逗子 名越四つ角 2分

安国論寺 門前の枝垂桜
大町大路沿い
教恩寺
八雲神社 大町
上行寺