そもそも「床の間を作るプロジェクト」とは。
2012年に「床の間を作るプロジェクト」というの旧ブログで書きました。家の中のニッチスペース、箪笥置き場に、漆喰ペンキを塗り、茶室金物を付けました。ブログネタでしたけれど、床の間のことにについて、調べたり、考えました。
最後に2018年現在、インテリア企画会社を作りたいと夢見る、管理人山本の、床の間についてどう考えているか、見解を書きます。
床の間を作るプロジェクトの最初と最後
床の間に必要なのは、壁、日本伝統の漆喰壁にすること。普通のフックではなく床の間用の金具を使うことと考えていました。
プロジェクトは以下の事を念頭に作ります。
床の間を作るプロジェクトには、「プロジェクトは以下の事を念頭に作ります。」というモットーがありました。第一回目と最終回ではかかった金額が増えました。床の間用のフック茶室金物の値段が高かったものでお金がかかりました。
第一回目のモットー
一、”本物”にこだわる
一、経費は低コスト、材料費直接経費は1万円前後
一、自分のスキル以上のことに挑戦しない(実はDYIはあまり得意ではない。)
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最終回目のモットー
一、”本物”にこだわる。
一、経費は低コスト、材料費直接経費は一万円前後。もとい二万円台
一、自分のスキル以上のことに挑戦しない。(実はDYIが得意ではない。)
目的は、絵画と語り合う空間を作ることです。
掛かった経費について
内容 | 直接経費 | 間接経費 | |
第一回 | 書籍 | ¥1,365- | |
第二回 | 屋内外用木部パテ | ¥698- | |
第三回 | パテ | ¥698- | |
¥398- | |||
第四回 | ペンキ道具セット | ¥3,129- | |
第五回 | 漆喰と送料 | ||
下地材 | |||
2m幅のマスカー | |||
第六回 | パテ2個と送料 | ¥1,405- | |
第七回 | 茶室金物 | ||
合計 | ¥4,924- |
茶室金物がかなりの額です。予算が1万円以上あがりました。
ビフォーアフターです。
ビフォー

床の間を作るプロジェクト ビフォー
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アフター

床の間を作るプロジェクト アフター 漆喰塗りました
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問題の茶室金物を設置しました。
各エントリーへのリンク
床の間を作るプロジェクト、第1回 とりあえず本を読んでみる。
床の間に関する本を読んでみました。家の中で一番格式が高いところなので、きっちりとした歴史があると思っていましたが、あいまいな出自でした。

床の間を作るプロジェクト。第2回 修理してみる。
古い家なので、パテで補修し、電話線を撤去しました。

床の間を作るプロジェクト。第3回 修理の続き。
材料が足りず追加しました。家に合った壁紙を貼り取り合えず終わらせました。

床の間を作るプロジェクト。第4回 カラーワークスに相談に行く
ペンキのように塗れる漆喰を求めて、東神田のカラーワークスさんに行きました。

床の間を作るプロジェクト。閑話休題、デコてみました。
下地材がいると知り、浴衣で作ったカーテンでデコりました。

床の間を作るプロジェクト。番外編 漆喰到着しました。
ローラーで塗れる、カラーワークスさんの、HIPローラー用白土が、到着しました。

床の間を作るプロジェクト。第5回 漆喰を塗りましたが問題発生!
下地材を塗り、一度目の塗装、2時間置いて2度目の塗装をしました。その二日後問題発生!

床の間を作るプロジェクト。第6回 手直しです。漆喰塗りが完成しました。
パテを買い足して、修理をし直し、漆喰を塗って完成させました。

床の間を作るプロジェクト。第7回 フック1個160円から5万超え、驚きの茶室金物の世界!
ネットで掛け軸用の金物を探したのですが、恐ろしく価格差のあるものでした。

床の間を作るプロジェクト。完成して思うこと。
お正月飾りをしました。

漆喰は、素人でも塗れます。
床の間を作るプロジェクトでは、DIYの経験がなかったので、ローラーで塗る漆喰をつかいました。カラーワークスのは、下地剤の上に二回塗りつける、ペンキに近い施工方法でした。
チューブ入りなど練ってあり、出してそのまま塗り付けるタイプの漆喰もあります。仕上げにこだわらなければ、DIYで漆喰壁を作ることは可能です。ムラ・凸凹は味にしてしまえば、素人のDIYでもイケます。
無理を承知で、床の間のことについて語ってみます。
その続編ということで、2018年私が床の間について、考えていること話します。

円覚寺 如意庵 茶寮安寧

長寿寺 書院の床の間
床の間は畳に坐って、拝見するもの。
床の間の歴史は、鎌倉時代に禅宗と同じく、大陸から輸入された、唐物を部屋に飾りつけてことが始まりでした。鎌倉に住んでいるので勉強も兼ね、鎌倉の寺社ブログを書いています。唐物文化が最初に盛り上がったのは、日本初の純粋禅の寺、建長寺でした。建長寺には宋から来た中国僧が多く、中国語が飛び交ていたそうです。
唐物を飾るために、押し板が出来ましたが、あっという間に建物にビルトイン化し、床の間になりました。床の間誕生の元のとなった唐物ブームの火が付いた鎌倉に住んでいるのも、何かの縁でしょう。
さて、寺院めぐりをしていて、床の間は、坐って鑑賞するもの、だと感じています。

長寿寺 書院

長寿寺
現代日本の床の間、茶道と関わるかどうかで決まる。
伝統的な日本家屋は、書院造りをカジュアルにした、数寄屋造りが基本です。無理やりこじつけると、お茶をカジュアルに楽しむための家が数寄屋で、床の間をはじめとする日本家屋の継承をしてきたのが茶道なのかと思います。
床の間的装飾は、今の日本人にとって、どうなのか?
日本人は床の間の装飾が、得意です。ニッチスペースに一個だけ置物を置く。壁の前に花を一輪だけ生ける。シンプルな場所に少ない物を飾るのが得意です。
得意ではあるが、今必要とされているのか、好まれているかは別です。物が増えている時代になってもう何十年もなります。忙しい生活の中で季節に合わせて飾るものを変えるのは難くなっています。フィギアなとコレクションがあれば、好きなものを沢山飾りたい欲求があります。床の間はこの欲求に応えてくれません。
一般家庭では床の間は、造られなくなるのは仕方がないのですが、次なる装飾術をまだ得ていないのが、今の日本人だと思います。
日本の家 1945年以降の建築と暮らし展 国立近代美術館 2017 感想"寝殿造りコンプレックス”と日本の未来

超絶記録!西山夘三のすまい採集帖展 LIXIL GALLERY 2017 部屋に物があふれていたのは戦前からだった。


浄明寺

海蔵寺 書院 江戸時代の建物です、掛物は寺の古地図
2012年は床の間プロジェクト以外にも、いろいろ作りました。
