元経理課長がお薦めする、青色申告会。
経理・財務歴20年、最後はベンチャー企業の経理課長でした。個人事業者になっても、確定申告は自力でやっています。割と大きな企業でも。税理士なし公認会計士なしで、決算書と税務申告書を作っていましたので、確定申告書は自分で作ります、毎年変わる税法をチェックしていると、財務省の考えが透けて見えます。これは経理職経験者の上級者テクです。
その後一度、青色申告会でアルバイトをしました。そのとき、小さな商いの個人事業者には大変ありがたい組織だなと思いました。クラフト作家さんや、副業でクリエーターをやっている人、親からアパートを相続した人、確定申告に悩める個人事業者は、青色申告会にいらしゃい!
青色申告会という組織が、各税務署毎に一つあります。個人事業者の集まりです。青色申告会は税理士が当番で、相談に乗ります。会費制で分からないことは何度聞きに行っても、料金がかかりません。帳簿の付け方も教えてくれます。税理士が来てくれたり、経験豊富な職員が常駐していて、いつでも相談できます。「確定申告ははじめて。」「経理仕事は苦手なんだ。」という個人事業者さんの味方です。
個人事業者には、従業員を何人も抱え、法人成り直前の事業さんもいます。町の八百屋さん、ラーメン屋さん、ピアノ教室の先生、もっと小さなビジネスの人もいます。始めたばかりのビジネスでも大丈夫です。
全国青色申告会総連会 ここから検索してください。http://www.zenaoirobr.jp/
青色申告会は、使えます。
会費は格安です。
青色申告会の会費は、各申告会によりばらつきがあります。会費は年間で、15,600円であったり、24,000円に確定申告に3,000円という申告会もあります。いずれにせよ税理士さんにお願いするより、圧倒的に安いので、開業したらお近くの青色申告会のサイトを見てみましょう。
自分で確定申告するのが不安ならば、頼ってみましょう。
直に逢って相談できる、安心。
弥生会計など会計ソフトの中には、サポート料をはらって電話で相談できるところがあります。それは会計の入力だけです。
青色申告会は、地域に事務局があって、平日の営業時間中ならば、職員が相談にのってくれます。書類やノートパソコンを持ち込んで、見てもらうこともでます。
帳簿の講習会もあります。直に逢って相談できるのは心強いです。
税理士を使うと、年間数十万円かかります。
「経理作業もやりたくないし、確定申告なんてやだ。そうだ会社にいたとき、税理士を使っていたな、税理士に丸投げすると、全部やってくれるそうだ。税理士に頼もう。」と考えている人へ、税理士さんによりけりですが、年間数十万かかります。
税理士さんに、毎月顧問料数万円払い、決算書作成と確定申告作成に数十万払います。ましてや丸投げして、帳簿作成をお願いすると月10万ぐらい(もっと高いかも)いってしまいます。
会社が税理士を使っていたのは、中小企業でも年商が数億円あったからできたのです。個人事業者で税理士を使う人はいますが、年商一千万円超えとか、毎月の利益が50万円越えでないと、厳しいです。
参考、青色申告会以外で、税務相談や税理士さんに相談できるところ。
税務署:対面も電話でも、時間中は相談してくれます。開業前でも管轄外でも大丈夫です。
技ですが、匿名でも相談できます。社長に脱税しろと言われている社員さんどうぞ。
会員になって、税理士相談が出来る組織
商工会議所、農協、
各自治体の税理士相談会
税理士相談会を日時を決めてやっています。公報などで確認しましょう。
ともかく早めに相談してください。3月になると税理士さんは忙しくなるので相談会がなくなったりします。
青色申告と白色申告と比べる
青色申告のメリット、3年後に融資が受けられる。
別に白色申告だからって、営業が出来ないわけではありません。青色申告で税金が65万円も、安くなるという以外のデメリットを書きます。
青色申告で尚且つ、3年間黒字決算であると、銀行(信用金庫・信用組合も)の融資を受けられます。これ以下の条件だと融資は無理です。融資の相談のテーブルにつけます。
青色申告で尚且つ、3年間黒字決算であると、国・自治体の融資が受けらます。銀行に行く前にこちらに行くと思います。返さなくてよい、補助金もこのような条件です。
年商30万円で、家事の合間にアクセサリー作っているクラフト作家さん、人気が出て来て、三年後に工房を開いて、機械・什器購入に公的融資を利用なんてことがあります。融資なんてあり得ないと思っても未来は分りません。
個人事業者ではなく、株式会社でしたが、いい加減に白色申告をしていたのですが、資金繰りに困り、三年分の青色申告を出すという、アクロバティックなことをした話を聞きました。理論上可能ですが、経営に無理があって倒産しました。
青色申告は、個人事業者でも法人でも、信用を得るためにもやっておきましょう。
追いつめられる、白色申告!
戦前、文盲の人がいた時代、税金が高くなることは分っていても。帳簿が付けられないので、多くの人が白色申告をしていました。経理作業はしたくない。面倒というところは今でも白色申告をしています。
2014年から白色申告も帳簿が、義務付けられました。国は白色申告を追いつめているな、私は思いました。白色申告のメリットはなくなりつつあります。
どんな小さいビジネスでも、青色申告からはじめるのが、現在のベストです。
帳簿作成は、お小遣い帖と同じです。気楽に考えましょう。
起業、自営業をはじめるにあたり、「経理」「確定申告」と聞くと、やった事がない、面倒くさそうと思いませんか?
かつては旦那さんが起業すると、奥さんが経理になりました。帳簿付けは大変手間もかかりました。PCが導入されてからでも、入力が面倒な時代もありました。現代はリスクヘッジのために、奥さんや家族に、合流しないでそのまま仕事をして貰った方が安全です。家族のキャリア形成を邪魔しなくても、良くなりました。
今の経理ソフトは、随分簡単になりました。直感だけでも仕訳が分ります。はじめは子供の頃のお小遣い帖を付ける感覚で充分です。
仕訳入力、経理作業でも、向き不向きの人がいます。理解できなくて、他の人より飲み込みが悪くても大丈夫です。才能の差です、でも大丈夫。
会計帳簿はお小遣い帖と同じです。
青色申告会なら、会計ソフトも教えてくれます。
パソコンは苦手なら、会計ソフトはテレビで宣伝している、弥生会計とか大蔵大臣は止めて、青色申告会の会計ソフトを、導入しましょう。PCの操作方法なども、これならノートパソコン抱えて、「教えて下さーい!」と駆け込めます。
3年たったら、どんなPC音痴でも、経理の才能がない人でも、会計ソフトを使いこなしているはずです。気にしない!気にしない!
難しいことは、青色申告会にやってもらう。
税金の法律は毎年少しずつ変わっています。日々の仕事に忙しい個人事業者さんは、そんなのチェック出来ません。ならば税理士さんにやって頂きましょう。年末調整、固定資産の償却など、自分で少し勉強すればできそうだけれど、間違えたら迷惑を掛けそうなものも、青色申告会でやってもらえます。
※会計・決算・確定申告
※仕訳について
※固定資産の償却の計算
※決算の数字の精査
※確定申告書と各税務申告書の作成
※相続・不動産売買の税金の申告書 ⇦とってもお得。
※労務 社会保険労務士
※アルバイト・従業員の社会保険、
※青色事業専従者とアルバイト・従業員の年末調整
(別料金で給与計算をしてくれる、申告会も一部にあります。)
古い組織なので、地元の嫌なボスに仕切られていた。対策法教えます。
GHQの命令で作られました。
第二次大戦後のGHQ支配下の、昭和24年の「シャウプ勧告」により、青色申告制度が誕生し、翌25年1月に施行されました。「税は公平でなければならない」というシャウプ勧告をもとに、個人事業主が集まり、納税者の団体として始まった歴史があります。
60年以上の古さがあるので、地元のシガラミ嫌だな。青色申告会に行くと、地元のボスがたむろしていて苦手だ。こういう人へ、私が実際に青色申告会で見たことを話します。
別の青色申告会に加入する。
若いシャイな、建築系の職人さんが、確定申告の作成で、青色申告会来ました。決算書をチェックして確定申告書を作成して、住所を見たら、税務署が管轄外の住所でした。個人事業者は自宅の住所の税務署に申告しますので、自宅住所の管轄の青色申告会に普通は加入します。その人は違ったのです。
不思議に思った申告会の女性理事さんに、どうしてと問われて、若い職人さんは「ここの申告会が好きだから。」と、ぽっつと言いました。
青色申告会は特別に管轄の税務署へ、電子申告をしたり、紙の申告書を職員がまとめて持ち込んだりします。管轄外の税務署の場合できませんので、自分で電子申告をしたり、税務署に持ち込みます。損なのはこれくらいです。所轄の税務所は住所で決まりますが、仕事場やお店の近くの青色申告会に行くのも手です。
慣れてしまえば、確定申告シーズンしか行かない。
パソコンの会計ソフト入力なんて、慣れてしまえば青色申告会に行く用事はなくなります。
やれバス旅行だ、講習会だとあっても、参加しない会員様が大多数です。1月の半ばからの確定申告シーズンだけしか、行きません。嫌になったら、こうしましょう。

海蔵寺 非公開庭園
2018年1月7日初出
2019年10月9日改訂