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鎌倉彫の仏具展 鎌倉彫会館3階 鎌倉彫資料館 2017 仏師が作る鎌倉彫。

鎌倉彫の仏具展 鎌倉彫資料館 チラシ 図録
鎌倉彫の仏具展 鎌倉彫資料館 チラシと図録

鎌倉仏師たちが辿った道

2017年2018年は東京国立博物館の運慶展があり、運慶・快慶そして運慶の系譜に連なる慶派の仏師たちに注目が集まりました。運慶の弟子たちがその後辿った道は、京都や奈良の仏師たちと別な道でした。宋から来た臨済禅は鎌倉の武士たちに、熱狂をもって迎えられました。一緒にきた文物・唐物は垂涎の的でした。

鎌倉仏師達は、宋から来た仏像・仏具を、すぐ日本風にアレンジして制作しました。同じく宋から来た、漆を何層にも塗り重ねて、それを彫刻する堆朱を、仏師は木を彫刻し朱漆をぬりました。中国の意匠と日本にあった伝統伝統デザインで作ったのが、鎌倉彫の源流でした。

企画展なので鎌倉彫の名品が集まっていました。

鎌倉彫資料館は普段は常設展です。昨年の春一階から三階に移り、照明を落とした落ち着いたスタイリッシュな会場になりました。収蔵品の室町時代から近代の鎌倉彫の名品が展示されています。

今回の企画展は、鎌倉彫資料館・鎌倉国宝館・神奈川県立歴史博物館の収蔵品を中心に、鎌倉の寺院・個人収蔵の、歴史的な作品を展示しています。

寺院で法要に使う大香合が、大集合していました。具利紋と牡丹紋が多く、比べらて観られました。

鎌倉彫の元祖、修験者が仏具を収納していた笈に、椿模様を彫った椿紋笈。大変珍しい江戸時代のドーム型の厨子には、秋草の精緻な彫りが施されていました。

鎌倉彫を生業にした鎌倉仏師が、幕末・明治時代に彫刻した仏像は良かったです。東慶寺の水月観音を基にした三橋鎌山の聖観音菩薩半跏像、アメリカ・ベルギーの万国博覧会に出品した、後藤運久の竜神立像、素晴らしかったです。鎌倉彫が仏教と深い結びつきを実感するものでした。

これは私のためにある展覧会でした。

鎌倉時代にインスピレーションを得たインテリア用品の企画を、立ち上げるを目標にしています。禅宗・唐物の文物の意匠について興味をもち専門書など当たっています。鎌倉彫の中世の仏具に特に注目していました。鎌倉彫資料館の「鎌倉彫の仏具展」のことを知ったときは、私にためにある展覧会と思ってしまいました。11月21日からの展示替えも見に行く予定です。

講演会の後に展覧会を観ました。鎌倉彫を習っている女性が彫りを熱心に観ていました。その隣で、前机とか高卓・経台の木工造作の方に惹き付けられて。台の下側の脚の付け方を覗いて見たりしていました。そのうち図録の写真から、図面起こしてみたいです。(こういうことを考えているのは、私だけだ!)

特別講演会

注意:講演中に取ったメモから、書き起こした文章です。筆者の勘違いもありますので、間違えていても、ご容赦ください。

台風が来ているのに、満席。

季節外れの台風が来た10月29日(日)に薄井 和男(神奈川県立歴史博物館館長)の特別講演会が、鎌倉彫会館の4階でありました。こんな講演会に喜んで行くのは私くらいかと思いきや、定員100名の会場は満席でした。

入り口で「流派どちらですか?」と質問を受けました。鎌倉彫の流派のことです。鎌倉彫会館で鎌倉彫を習っている会員さんが、ほとんどのようでした。

薄井先生の専門は、中世彫刻・仏像と神像だそう。鎌倉彫は詳しくないですよ、鎌倉彫作らないので、と話されていました。鎌倉彫研究の現状として、専門の研究者がいないそうです。

鎌倉彫資料館・鎌倉国宝館・神奈川県立歴史博物館で、相当数の鎌倉彫を収蔵していて、これで展覧会が開けるほどだそうです。歴史博物館は源流の中国の堆朱も集めています。最近は骨董市場から、古い鎌倉彫の出物がなくなって、中国の堆朱より高いそうです。薄井先生が安いころに骨董屋で値切って買った、鎌倉彫も展示されているそうです。

宋からの唐物仏具を、和風アレンジした鎌倉仏師。

今回の展覧会で大型香合の展示が多くあります。鎌倉の寺院からの出品もありました。中国明時代の堆朱が基となっています。日本化して牡丹紋の香合が幾つかありました。堆朱が漆の層を彫ることでシャープな彫りなのに、木彫の鎌倉彫は優しい彫りになりました。

ただ今、東京国立博物館で絶賛開催中の運慶展で注目の、運慶が鎌倉に来たときお弟子さんが鎌倉に残って、13世紀には独立して関東一円の仏像を作りました。仏所には仏師の他に、絵仏師、漆を塗る彩色工人が一体となった工房でした。

鎌倉時代13世紀、南宋から禅が来ました。中国のお経、伽藍、仏像、庭園と共に仏具も中国から来ました。鎌倉時代後期には禅以前の仏教、律宗が再来日しました、南宋律です。鎌倉では

極楽寺(極楽律寺)、覚園寺、金沢八景の称名寺(称名律寺)が拠点でした。中国から来た文物の内容は禅と同じとか。

日本初の純粋禅の寺として建長寺が出来ました。(京都の東福寺は天台宗の関与があり、天台宗の要素もあった。)鎌倉に中国人と中国の文物が沢山来ました。到来物の唐物は憧れを持って迎えられました。その中には堆朱がありました。

早くから寺院で使われる、仏具を鎌倉仏師の仏所が制作を行いはじめました。中国そのままでなく、木の国日本!和風アレンジをしました。中国伝来の意匠をまといながら、木本体に直に彫ったものがスタートしました。寺院で使う須弥壇・前机・経机に飾りがつきます。中国から獅子牡丹意匠が来て、須弥壇に彫刻されたのでした。

中世から現代に続く、鎌倉仏師

薄井先生は神奈川県内の仏像の調査をしているそうです。県内の多くの仏像の修理を鎌倉仏師が手がけていて、県内で数百例あるそうです。調査すると今も鎌倉彫の流派になっている、後藤家、三橋家の名前が記されています。

江戸時代、鎌倉は寺の多いだけの土地になりました。鎌倉仏師は江戸仏師に伍すほど活躍していました。壽福寺の前あたりに仏所が集まっていました。江戸時代は鎌倉彫が仏具から生活雑器まで幅を広げた時代でした。まだまだ仏像の制作の合間の、お小遣い稼ぎでした。

明治の廃仏毀釈のとき、鎌倉仏師は後藤家・三橋家が中心となり、鎌倉彫制作に舵を切りました。この展覧会に明治時代に海外の万博の出品するなどした、仏像・仏具が出品しています。個人蔵と載っています。実は後藤家・三橋家の家の奥に秘蔵されてます。

鎌倉彫は仏教色がある彫刻で。日光彫とはちがうのです。

図録で注目は、円覚寺舎利殿内部の法要の写真

鎌倉彫の仏具展の図録が発売されています。1,620円で一階のショップで販売されています。注目は、国宝舎利殿の内部で、円覚寺所蔵の室町時代の大香合を使った法要の写真が掲載されていることです。

鎌倉彫の仏具展

鎌倉彫の仏具展http://kamakuraborikaikan.jp/museum/category/%E4%BC%81%E7%94%BB%E5%B1%95/

鎌倉彫資料館のアクセスデータ

鎌倉彫会館 3階の鎌倉彫資料館 鎌倉で5時まで見学できるのは貴重!。
鎌倉といえは、鎌倉彫。この鎌倉彫の歴史が分るのが、若宮大路の鎌倉カトリック教会の隣、鎌倉駅からも近い、鎌倉彫会館3階の鎌倉彫資料館です。 ...

鎌倉彫の仏具 展 概要

鎌倉彫の仏具 こめられた想い 受け継がれる形

w e b: 企画展ページ
会  期: 2017年10月17日(火)~12月17日(日)11月21日より展示替え
会  場:  鎌倉彫資料館 鎌倉彫会館3階
休 館 日 :  月曜日
開館時間:  9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)
入 場 料  : 一般500円 小中学生200円 20名以上の団体は50円引き

この展覧会には図録があります。1Fのショップで販売。

鎌倉彫資料館と鎌倉彫会館のアクセスデータ

鎌倉彫の展示は3階の鎌倉彫資料館へ

鎌倉彫資料館は鎌倉彫会館の3階にあります。
月曜日は休館日です。(ただし祝日は開館)

さーと見るだけなら、15分くらいかな。駅から近いので、お手軽に見学できます。

 webサイト: 鎌倉彫資料館 http://museum.kamakuraborikaikan.jp/

facebook https://www.facebook.com/kamakurabori.museum/

 場   所:  鎌倉彫会館 3階
 電   話:  0467-25-1502
 メ ー ル: museum@kamakuraborikaikan.jp
休 館 日: 月曜、夏季休暇、年末年始
※臨時の休館日は最新のお知らせをご覧下さい
入場 時間: 9:30~17:00 入場は16:30まで
入 場 料:  通常展 大人 300円(20名以上の団体250円)小・中学生 150円(20名以上の団体100円)

鎌倉彫会館のアクセスデータ

webサイト: 鎌倉彫会館 http://kamakuraborikaikan.jp/

cafe具利 http://kamakuraborikaikan.jp/cafe/

鎌倉彫会館文化教室 http://kamakuraborikaikan.jp/school/

住   所: 神奈川県鎌倉市鎌倉市小町2-15-13
電   話:  0467-25-1500
メ ー ル: kyoudoukumiai@kamakuraborikaikan.jp
休 館 日: 月曜、夏季休暇、年末年始
入場 時間: 9:30~17:00

アクセス方法

最寄駅:JR横須賀線線鎌倉駅・江ノ島電鉄鎌倉駅 東口 徒歩5分
バ ス:

江ノ電バス 鎌倉⇔大船・本郷台・上大岡 若宮大路 下車1分
京急バス 鎌倉⇔大塔宮
鎌倉⇔金沢八景駅
鎌倉⇔鎌倉霊園太刀洗
鎌倉⇔ハイランド循環
神奈川県鎌倉市小町2-15-13

投稿者プロフィール

山本
平安・鎌倉・室町時代の有職故実デザインの家具・インテリアを、売りたい!と業界ををリサーチしたら、どこも作っていませんでした。絵なんて30年描いていませんが、もう私がデザインするしかない。
雅で品格ある、有職故実のインテリアを世に出すのが、目標。

なお、古いものなら、ヨーロッパのものも大好き、美術・ファションも好きです。十代のころは歴女、二十代は、古典文学と耽美主義と能楽ファンだったので、そちら方面のエントリーも書いてます。

Twitter 江戸唐草

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ほぼ家具のこと。

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