調度♡ハッピーのかたち 国立近代美術館工芸館 2017 夏休はここに遊びに行こう!

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黒田辰秋「欅拭漆彫花紋長椅子」国立近代美術館工芸館インテリア関連の展覧会と本
黒田辰秋「欅拭漆彫花紋長椅子」国立近代美術館工芸館
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「調度」って小学生は知っているのか?

夏休みの子供を当て込んだ企画ですね。ついで大人も取り込もうとしています。ほぼ収蔵品だけの展覧会でした。高校生以下無料ですよ。

「ちょうど・ハッピー!」の音が、小池栄子がエネオス電気のCMで歌う「みんな・ハッピー!」の旋律で、頭の中で再生されています。

小学生は「調度」という言葉は知らないと思います
大学生でも、聞いたことはあるが、縁遠い言葉だと思います。

「調度」って言葉皆さん知っています?「雑貨」とか「家具」とか「オブジェ」と「インテリア用品」と今は分散して使ます。「調度」の意味は「小型家具をはじめとする道具類」というところ、江戸時代以前、室内の飾りが厳密に決められていた時代には、「調度」は重視されて、「武家調度」、「初音の調度」と呼ばれたものがありました。さかのぼって平安時代の貴族社会では大変重視されて、有職故実どおりに装飾されるのが「調度」でした。

昔は重要な言葉で、今は忘れられそうな「調度」をよく引っ張りだしたなー。さて会場を一周して、住宅で使う工芸品でまとめられていて、小家具や茶道具から、食器・人形まで展示されていました。収蔵品を夏休みなので 宿題に悩む子供たちに向けて公開ということで、名品も惜しげなく展示していました。少し前のコンサバなデパートの、インテリア・食器・美術品売り場といった雰囲気です。

本展覧会は、大人と子供とではもらえる作品案内が別、スタンラリーをやっていて、全部集めるとプレゼントがもらえます。メモボードも貸してくれるので夏休みの宿題はここで決まりか?

家具・木工品の感想を少し

私の最大の興味。家具・木工から、感想と蘊蓄を書きます。

黒田辰秋のベンチに座れる。

人間国宝で、家具の世界、漆芸の世界では、巨匠になっている、黒田辰秋のベンチが、展覧会場のある2階ホールにありました。普通に休憩ベンチになっていました。皆知らないで座っちるけれど、貴重な体験が出来ます。

私も座ってみました。欧米人用のサイズ感で、見かけが大きいです。深く腰かけないないといけないので、思いがけずリラックスできました。あと背板の大きな花の彫刻ですが、体に触ることもなかったです。ソファー並みの座り心地でした。

最近のリラックス優先で、座る姿が醜い家具と違い、座る人の姿が格好よいベンチです。デザイン哲学がイマドキの家具と違うのだ。

黒田辰秋「欅拭漆彫花紋長椅子」国立近代美術館工芸館

黒田辰秋「欅拭漆彫花紋長椅子」国立近代美術館工芸館

黒田辰秋「欅拭漆彫花紋長椅子」国立近代美術館工芸館

黒田辰秋「欅拭漆彫花紋長椅子」国立近代美術館工芸館

2014年そごう美術館 黒田辰秋展

黒田辰秋の世界展(そごう美術館)で考えた、近頃の伝統工芸。
稀代の家具作家、黒田辰秋の展覧会 この展覧会は終了しました。 会期が3月10日(月)までに、なりましたが、そごう横浜店内のそごう美術館の「黒田辰秋の世界展 生誕110年 目利きと匠の邂逅」に行ってまいりました。 民芸に興味がなかっ...

正倉院・平安時代を、リスペクトしています。

家具はアールデコ時代の輸入家具のセットがドカンと置かれていました。形が面白い。ニュヨークのオフィスにありそうな書斎セットでした。でも場所を取りそうだ。

稲木東千里「鉄刀木机」が神社・寺院で使われている八脚机。中基瑞真「あららぎ厨子型三宝棚」が正倉院の厨子を基にしたデザインの 小家具が展示されていました。日本建築には古いデザインが似合います。

中基瑞真「あららぎ逗子型三宝棚」

中基瑞真「あららぎ厨子型三宝棚」脚のくりぬきは「狭狭間 きょうさま」といいます

イサム・ノグチ 北大路魯山人 がよかった。

畳敷きの展示場で黒丸3つので顔みたいな和紙照明、脇から見ると黒丸の位置が変わり、面白顔となりました。好きですね子供受けしないと思うけれど。ふと見るとイサム・ノグチ作でした。とぼけている所がいいね!

第3室が食器の展示で、作者別、用途別ではなくランダムに展示されています。ここは流して観ていたのですが、好いなーと思うと北大路魯山人、この茶碗好いなーで魯山人、隣の富本憲吉より魯山人でした。北大路魯山人の食器は食べ物を盛りつけるための食器です。存在感があるのだけれど、どこか抜けているし、完璧でもないのだな。でもシッカリこう使えと主張してくるのが魯山人の器です。

イサムノグチ「あかりUF3-Q」

イサムノグチのあかり

人形も調度

第4室は人形の展示でした。人形も調度?と少し思いました、室内にいつもいるので調度でしょう。いきなり四谷シモンの「解剖学の少年」が迎えてくれました。鹿児島寿蔵、堀柳女、平田郷陽…と人形マニアでなくても知っている作家の人形が展示。今回は竹久夢二お手製の人形がありました。これだけ写真禁止です。

あれと思ったのが、天野可淡の人形を国立近代美術館工芸館が所蔵していたことです。下の写真は「無題」、1990年に亡くなったので、もう27年もたつのですね。時代の先端を走っている印象がありました。アンニュイ感漂う可淡の人形には、今も熱心なファンがいます。

天野可淡「無題」

天野可淡「無題」

芹澤圭介とコラボする蛙ちゃん

小学生が見に来る前提なのか、笑える作品もちらほら、第5室の布の展示でもありました。こちらの展示室は、喜多川平朗の有職故実織物が6枚も展示、興味深かったです。(資料用に写真を撮ろうとしたのですが上手くゆきませんでした。)

惜しいなと思いながら振り向くと、蛙がもそもそしています。人間国宝の芹沢圭介(中)と六角大壌(右)・広川松五郎(左)の屏風に。蛙が取りついています。なんじゃ。カエルは中島直美「Nature7’sTalk2005-grenouille」です。中々可愛いと見せかけて大人な蛙でした。会場に何人も来ていた、小学校低学年は気に入るのかしら。ここで大人の美のセンスを見せるのも教育というものだ。染織の巨匠芹澤圭介とコラボする布の蛙、布製品として幸せかな?。

調度ハッピー展 東京国立近代美術館 第6室の展示

調度ハッピー展 東京国立近代美術館 第6室の展示

こども×おとな工芸館 調度❤ハッピーのかたち 概要

こども×おとな工芸館 調度❤ハッピーのかたち
Crafts Gallery for Kids × Adults: Furnishings-Forms to be HAPPY

w e b:サイト  http://www.momat.go.jp/cg/exhibition/choudo_2017/
会  期: 2017年7月4日(火)~9月3日(日)
会  場: 東京国立近代美術館工芸館
休 館 日 : 月曜日(7月17日は開館)、7月18日(火)
開館時間: 10:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)
入 場 料  :一般250円(200円)大学生130円(60円)( )内は20名以上の団体料金
無料
高校生以下および18歳未満、65歳以上、「MOMATパスポート」をお持ちの方、友の会賛助会員MOMAT支援サークルパートナー企業(同伴者1名まで、シルバー会員は本人のみ)、キャンパスメンバーズ、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名) 詳しくはサイトで

東京国立近代美術館工芸館 アクセス方法

webサイト:web http://www.momat.go.jp/cg/
twitter https://twitter.com/MOMAT60th
Facebook https://www.facebook.com/momat.pr
住   所:東京都千代田区北の丸公園1-1
電   話: 03-5777-8600(ハローダイヤル)

アクセス方法

 地下鉄東京メトロ東西線竹橋駅 1b出口徒歩8分
東京メトロ半蔵門線・東西線・都営新宿線九段下駅 2番出口徒歩3分
東京都港区千代田区北の丸公園1-1

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