玉手箱と、玉手箱を巡る数々の品々
サントリー美術館が六本木の東京ミッドタウンに移って、10周年記念の展覧会です。所蔵のの国宝「浮線綾(うせんりょう)螺鈿蒔絵手箱」が50年ぶりの修理から戻ってきたのでの展覧会だそうです。国宝・国の重要文化財が多数展示されておりました。
玉なる手箱を、ご覧あれ。
会場に入って、冒頭の玉手箱が並ぶところは、夢みたいでした。 高い!とか豪華絢爛とは、全く違う。玉手箱は大事にしたい、愛おしみたい、"宝物”でした。国宝もふくむ鎌倉時代から室町時代の玉手箱が、暗めの照明の会場に展示。ケースは独立型なので、周り込んでの鑑賞ができます。ここだけ薄闇に玉手箱が浮き上がるような展示方でした。(さすがお洒落なサントリー。)
鎌倉時代は漆芸の技術が完成された時代。洗練された手箱でした。
\主役がお留守の文様⁉️/
「菊慈童蒔絵手箱」など、文様の中には“主役をあえて表さない文様”があります。
象徴物で暗示することで、見る人が自由に主役を想像できるもの。
お気に入りの物語を映像化した時に感じる、アノ違和感を防止します(笑) pic.twitter.com/hg8LqWov96— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2017年6月15日
明治以降に作成された、レプリカのコーナーもあり、普段はまとめてみることができない、玉手箱たちが集結しました。
手箱をめぐるストリー
人は何故か”箱”に惹かれるのだろう。たとえは浦島太郎の物語。「浦島絵巻」「天稚彦物語」「鼠草子」など展示されていました。箱の深い心理を突いています。
国宝となっているような、手の込んだ漆塗りの手箱は、有職の決まり事として部屋に飾られています。中身は化粧道具から扇など日常品をしまっていたようです。
いくら身分のある人でも、日常品として使っていたのかちょっと疑問になりました。鎌倉と船橋市の遺跡から発掘された、化粧道具が展示されていました。カワラケを利用した素朴な化粧道具。船橋の遺跡から発掘された梅模様の鏡箱の、漆芸家の室瀬和美氏制作のレプリカがありました。梅模様がとっても素朴で良かったです。鎌倉のは北条執権の一族の館跡、船橋も権力者の家で、支配者階級の周辺の人が使ったようです。鎌倉時代くらいになると、実用の化粧品用具は別にしていたのかしら。
「浮線綾螺鈿蒔絵手箱」をはじめとして、いくつかの手箱には、北条政子遺愛の伝承があります。最高権力者クラスでないと、日常使いはできなくなっていたのかしら?北条政子の名が出たのはこの辺の実態を表しているのかなー。政子さんといえば、源頼朝が夏暑いんで、衣笠山から白い布を垂らして、滝に見せかけた、政子のご機嫌を取る伝説があります。かなりの贅沢です。
\お部屋の様子が丸分かり👀/
「石山寺縁起絵巻」巻六に描かれたのは、関白九条道家の邸宅。
黒漆の棚を置き、手箱、冊子、香炉などが並べられた女房部屋の様子がよく分かります♪ pic.twitter.com/9vZXAQqMX6— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2017年7月13日
平安貴族をしのぶ、王朝装束と有職調度
浮線綾模様と宮廷装束
今回の主役「浮線綾螺鈿蒔絵」に関係して、浮線綾模様の装束の展示がありました。衵(あこめ)、唐衣、表着、単、裳、指貫と王朝装束と、江戸時代の装束の裂地を貼ったものなど展示されていました。
浮線綾は、もとは模様を浮き織にした織物の名前でした。その後平安末以降、特定の唐花丸紋の模様のことを浮線綾と呼ぶようになりました。有職文様として公家文化で使われました。浮線綾は高貴で端正な模様で、私は昔から好きです。
平安貴族の装束は鎌倉時代以降にしか、今に伝わる物がありません。現存品では古い南北朝時代の熊野速玉神社の国宝が見れました。装束切れの「九重のもみぢ」に天皇陛下専用の黄櫨染(こうろぞめ)があって驚きました。
\文様にご注目👀/
国宝「衵 萌黄地小葵浮線綾丸文二重織」に見られる文様は、「浮線綾文」(ふせんりょうもん)。公家の服飾などにつけた文様の1つで、家格や位階を示すかなり重要な記号だったよう。 pic.twitter.com/6RrFSD8CEF— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2017年6月7日
浮線綾模様とっても素敵です。
神宝と宮廷工芸
神様を信仰していると、社殿でなに不自由ない暮らしを送ってもらうために、衣服や暮らしの道具を奉納するようになりました。玉手箱もこうして神社に納められたものが多く展示されていました。神社納めるものは公家の有職に基づいて、人間の使っているものそのものか、大きくするか小さくしたものを作りました。タイムカプセルよろしく、神社には平安貴族の衣装・調度が保存され、私たちが目にすることが出来るのです。
唐櫃・台盤(だいばん 宴会用の低いテーブル)蒔絵が施された文台など調度類がてんじされていて、絵巻物や資料で見た平安貴族の生活がしのばれました。今回の展覧会では手箱の中身を幾つか紹介していて、有職で決められているのかな、中は2段の盆が仕組まれ、櫛や鋏、毛抜きなど、内容がほぼ同じでした。どの玉手箱にも何十枚の櫛が入っているのだけれど、どう使うのだろう。
\神様に捧げられた扇/
重文「彩絵檜扇」は、島根・佐太神社の本殿奥深くに安置され、御神体のように扱われていたもの。実用性はないため、はじめから神様に捧げる神宝として制作された可能性が高いとか‼️ pic.twitter.com/HXd8qMGgej— サントリー美術館 (@sun_SMA) 2017年6月26日
神の宝 玉手箱 展 概要
w e b: | サイト http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2017_3/ twitter https://twitter.com/sun_SMA |
会 期: | 2017年5月31日(水)~7月17日(月・祝) |
会 場: | サントリー美術館 |
休 館 日 : | 火曜日 |
開館時間: | 10:00~18:00 毎週金・土曜日 7/16は20:00まで (入館は閉館の30分前まで) |
入 場 料 : | 一般1,300円(1,200円)大学・高校1,000円(800円) 中学生以下無料( )内 団体 各種障がい者手帳お持ちの方は、本人と介護者一人まで無料 詳細はサイトで |
いろいろあります、100円割引。
きもので来館
ホームページ限定割引券 こちらのページを印刷 http://www.suntory.co.jp/sma/map/
携帯・スマホの画面を見せて割引 こちらのページ http://www.suntory.co.jp/sma/map/の割引クーポンのバーコードを取得
あとろ割 新国立美術館・森美術館(六本木ヒルズ)の企画展チケットを提示
サントリー美術館アクセス方法
webサイト: | web http://www.suntory.co.jp/sma/ twitter https://twitter.com/sun_SMA |
住 所: | 東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階 |
電 話: | 03-3479-8600 |
アクセス方法 東京ミッドタウン入り口
地下鉄 | 都営地下鉄 | 大江戸線 | 六本木駅出口8 | 直結 |
東京メトロ | 日比谷線 | 六本木駅より地下通路 | 直結 | |
東京メトロ | 千代田線 | 乃木坂駅出口3 | 徒歩3分 | |
バ ス | 都営バス | 都01 渋谷⇔新橋 | 六本木 | 下車徒歩2分 |
ちぃばす | 赤坂ルート田町ルート | 六本木7丁目 檜町公園 | 下車1分 |

神の宝玉手箱展 サントリー美術館https://twitter.com/sun_SMA




