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大エルミタージュ美術館展 六本木 森アーツセンターギャラリー2017 巨匠の名画を観る愉楽に心を遊ばせる。

ジャン=オノレ・フラゴナールとマルグリット・ジェラール「盗まれた接吻」
ジャン=オノレ・フラゴナールとマルグリット・ジェラール「盗まれた接吻」http://hermitage2017.jp/works

これは凄いことです、エルミタージュの常設展示が85点

今回の大エルミタージュ美術館展は、凄いです。これはぜひ行くべきです。ロシアのペテルブルグにある、屈指のコレクションをもつエルミタージュ美術館で、常設展示されている油絵だけ、展示された美術展です。美術愛好家もびっくりの展覧会でした。女帝エカテリーナ二世が購入した由緒ある作品も含まれています。これはエルミタージュ美術館らしい展覧会です。

美術初心者でも、中学生でも理解できる、肩ひじ張らない絵ばかりでした。超有名絵画ばかりですが、説明書を読まなくても、感じるままに絵を鑑賞してもよい美術展でした。

近頃の西洋のオールドマスターオールドマスター・18世紀までの美術展は、巨匠の有名作が数点と、後は収蔵庫中にある2軍の作品で構成された、展覧会にしばし遭遇します。美術展の出品作が名作ぞろいの、1軍である常設展作だけで構成された展覧会は、久しぶりでした。関係者のご尽力に感謝です。

大エルミタージュ美術館展ちらし

大エルミタージュ美術館展ちらし

素晴らしかった作品の感想です。

ティツィアーノ「羽飾りのある帽子をかぶった若い女性の肖像」

会場の最初のエカテリーナ二世の巨大肖像画の次に、目に入るのがヴェネティア派の巨匠、ティツィアーノのこの作品です。只々美しい、この展覧会で最も美しかった作品です。きら星のごとく会場にある名作を、すべて差し置いてこの絵が、一番でした。さすがティツィアーノです。肌のピンク色が美しい。

この絵はぜひ本物を観てみてほしいです。図録を買ったのです。最近の図録は色の再現力があって本物と遜色ないのですが、図録の写真は色鮮やかな女性の肌、天鵞絨(ビロード)の質感などなど、展覧会の印刷物も含めて、ついでネットでも、再現されていませんでした。これは本物の方が何段も美しいです。

ティツィアーノ・ヴェチェッリオ「羽飾りのある帽子をかぶった若い女性の肖像」

ティツィアーノ・ヴェチェッリオ「羽飾りのある帽子をかぶった若い女性の肖像」http://hermitage2017.jp/imgs/works/works_02_ph.jpg

ティツィアーノとヴェネツィア派展 2017年東京都美術館 フローラ、ダナエと代表作が見れました
ティツィアーノの美しさを感じる展覧会 「画家の王」と呼ばれるティツィアーノは、展覧会場でそこだけ、輝いている絵画でした。この展覧会場では、...
ヴェネツィア・ルネッサンスの巨匠たち 新国立美術館 テイツィアーノの4mを超える「受胎告知」来日
本邦初公開、アカデミア美術館の所蔵展。 イタリアで花開いたルネッサンス、フィレンツェのルネッサンスの画家たちは、明快なデッサンに基ずいて、...

ヘラルド・デル・ホフ(2世)「カトリーナ・レーニングの肖像」

黒い背景の前に立つ、女性像です。これも図録より本物が良かった!レースの襟に黒いドレスはオランダ絵画でもよく見られます。デーフェンテル市長の妻ということが、絵の裏の紋章から判明しました。夫の市長指名記念の肖像の可能性があるとのこと。

袖口の大きなリボンが気に入りました、白いレースなのかしら。

ピーテル・デ・ホーホ「女主人とバケツを持つ女中」

オランダ絵画の、日常生活を切り取った絵画が好きです。浮世絵の様なところに親近感を感じます。中庭に坐っている中年の女性に、侍女が市場で買ってきた魚をバケツに入れたものを、見せている場面です。

市松模様のテラスの前景、中庭の中景、裏木戸越しに木と遠景にオランダ独特の家が描かれています。絵の中にギュット色々なものが詰め込まれています。飾り気のない光景が中流階級です。あー何を話しているのか知りたい。

ピーテル・デ・ホーホ「女主人とバケツを持つ女中」

ピーテル・デ・ホーホ「女主人とバケツを持つ女中」http://hermitage2017.jp/imgs/works/works_07_ph.jpg

ヤン・ブリューゲル1世「魚の市場 (ペテロとアンデレの召命)」

ピーテル・ブリューゲル1世の次男で花の絵で名高い、ヤン・ブリューゲル1世の絵です。絵の左側の崖の上に立つ、建物が、先日見てきたばかりの、お父さんの ボイスマンス美術館の小「バベルの塔」そっくりです。

建設途中で重機が見えるのも似ています。よく見るとこの建物は4階建てバベルの塔なんかよりずーと低いのに、崖の上で近景なので建物が3段の塔のように見えて、「えっ、ここにもバベルの塔?」と錯覚しそうになりました。ウィーン美術史美術館の 大「バベルの塔」にも、手前に人が集まっている所が似ていました。魚の売り買いしている所です。

ブリューゲル一族は初代の遺産を、上手に使っています。こんなところにも「バベルの塔」。

バベルの塔展 東京都美術館2017 ボスとブリューゲルの名画を「ボスモン」が盛り上げていました。
ブリューゲルの「バベルの塔」は、美しい絵でした。 東京都美術館のバベルの塔展に行ってきました。2階ワンフローアーを、ピーテル・ブリ...

アンソニー・ヴァンダイク「王妃ヘンリエッタ・マリアの2人侍女」

私にとっては、2度目の再会になりました。”大奥”にお勤めの貴族夫人2人の肖像画といった絵です。若くはない二人が、気品と輝いている肖像画です。憧れる熟年女性!宝石も豪華な衣装も素敵だけれど。金の巻き毛がとって繊細な筆使いでいいな。

フランシスコ・デ・スルバラン「聖母マリアの少女時代」

見れば見るほど少女の真直ぐなまなざしです。

フランシスコ・デ・スルバラン「聖母マリアの少女時代」

フランシスコ・デ・スルバラン「聖母マリアの少女時代」http://hermitage2017.jp/works

ジャン=オノレ・フラゴナールとマルグリット・ジェラール「盗まれた接吻」

少女腕とストライプのスカーフが対角線にくる構図、衣服の質感、スカーフのストライプの織地の透明感がリアルで見ってしまいました。突然のキスで動揺しながらも、右手のドアの向こう位視線を向ける少女にドラマ性を感じました。この絵はズルい!

ロココの画家フラゴナールと弟子であり、妻の妹の女流画家ジェラールとの共作です。絵の構成はフラゴナールで、絵のほとんどをジュラールが描いた模様です。当時流行したオランダ風で描かれました。ジュラーエールはあらゆる布地の質感を描くことで名声を得たそうです。

3流映画的な、わざとらしい構図なのですが、暗闇から浮き上がるドレスの白いサテンが絵を引き締めています。テキスタイルのリアルが絵を救っている。

ルカス・クラーナハ《林檎の木の下の聖母子》

今回画家の出身別にコーナーが分れていました。最後のコーナーは「ドイツ・イギリス:美術大国の狭間で」という失礼な名称でした。確かに出品数は少なかったです。クラーナハのこの一枚は、巨匠の格調の高さで、コーナーをしめました。

たわわに実る林檎に目が向きます。マリアの金髪の巻き毛や首回りノベールを、細かい線で描き入れています。会場でよくこんな細い線を描き入れるなと思いました。マリアの顔はクラーナハの得意としている美人、一枚一枚の作品で存在感見せてくる、巨匠の画力の高さを感じました。

ティツィアーノ然り、クラーナハ然り、何を描いても画力があり、外れがない巨匠の絵が私は好きです。

ルカス・クラーナハ「林檎の木の下の聖母子」

ルカス・クラーナハ「林檎の木の下の聖母子」http://hermitage2017.jp/works

クラーナハ五〇〇年後の誘惑 国立西洋美術館2016 聖とエロティックは矛盾しない!?
ルターの友人にして市長、そしてエロ絵師! 「クラナ-ハ」「クラナッハ」と表記されますが、今回は「クラーナハ」だそうです。名前も「ルーカス」...

大エルミタージュ美術館展 概要

大エルミタージュ美術館展 オールドマスター西洋絵画の巨匠たち

w e b: 特別サイト http://hermitage2017.jp/special.html
twitter エカ様 https://twitter.com/Dai_hermitage
会  期:  2017年3月18日(土)~6月18日(日)
会  場:  森アーツセンターギャラリー
休 館 日 :  5月15日(月)
開館時間:  10:00~20:00 火曜日は17:00まで(入館は閉館の30分前まで)
入 場 料  : 一般1,600円(1,400円)大学1,300円(1,100円)
高校・中学・小学800円(600円)( )内、前売り・15名以上の団体、
各種障がい者手帳をお持ちの方と介助者1名まで、当日料金お半額
詳細はサイトで、http://hermitage2017.jp/ticket.html

巡回展
愛知県立美術館 2017年7月1日(土)~9月18日(月・祝)
兵庫県立美術館 2017年10月3日(火)~2018年1月14日(日)

六本木ヒルズ 森アーツセンターギャラリー

webサイト: web http://www.roppongihills.com/museum/
六本木ヒルズ twitter https://twitter.com/roppongihills
六本木ヒルズ facebook www.facebook.com/RoppongiHills.official
住   所: 東京都港区六本木6-10-1
電   話: インフォメーションセンター 03-6406-6000 10:00~21:00

アクセス方法 webページ

六本木ヒルズ入り口まで。

東京メトロ 日比谷線 六本木駅 1C出口 徒歩0分 コンコースにて直結
都営地下鉄 大江戸線 六本木駅 3出口 徒歩4分
都営地下鉄 大江戸線 麻布十番駅 7出口 徒歩5分
東京メトロ 南北線 麻布十番駅 4出口 徒歩8分
東京都東京都港区六本木6-10-1

投稿者プロフィール

山本
平安・鎌倉・室町時代の有職故実デザインの家具・インテリアを、売りたい!と業界ををリサーチしたら、どこも作っていませんでした。絵なんて30年描いていませんが、もう私がデザインするしかない。
雅で品格ある、有職故実のインテリアを世に出すのが、目標。

なお、古いものなら、ヨーロッパのものも大好き、美術・ファションも好きです。十代のころは歴女、二十代は、古典文学と耽美主義と能楽ファンだったので、そちら方面のエントリーも書いてます。

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ほぼ家具のこと。

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コメント

  1. dezire より:

    こんにちは、
    私も大エルミタージュ美術館展を鑑賞してきましたので、画像と鑑賞レポートを読ませていただき、大エルミタージュ美術館展の名画を再体験することができました。ティツィアーノの「羽飾りのある帽子をかぶった若い女性の肖像」や。ルーカス・クラーナハの「林檎の木の下の聖母子」のようなルネサンス期の傑作もありましたが、今回はバロック、ロココ時代の作品が多くを占め、今まで見たことのなかったこの時代の傑作がたくさんあり充実した展覧会でした。フラゴナールの傑作『盗まれた接吻』は、ロココ風の「戯れの恋」を描いた作品ですが、ラゴナールの妹で弟子のマグリット・ジュラールが女性のスカート布の表現で高度の技量を発揮していて、絶妙の構図と上品で節度ある表現に魅力を感じました。スルバランの『少女時代の聖母マリア』は、徹底したリアリズムとカラヴァッジョ風の劇的な明暗表現により、愛らしくも敬虔な幼いマリア表現なし、心温まる感動がありました。

    私は大エルミタージュ展の中心となっていたバロック、ロココ美術コレクションについて、本場で見てきたエルミタージュ美術館が所有する絵画の全貌を整理してみました。一度眼を通していただきご参考になれば幸いです。ご感想、ご意見などコメントいただけると感謝いたします。

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