河鍋暁斎好き歴、三十数年!マイナー時代からのファン。
三月三十一日に都美術のティツィアーノ展のあと、Bunkamuraザ・ミュジアムに行き観ました。天才で巨匠で残され作品数が膨大なのが、河鍋暁斎と共通します。

私が河鍋暁斎のことを知ったのは、昭和五十年代まだ中学生でした。福富太郎の福富コレクションのカラーの画集「美人が百年」に紹介されて知りました。当時鏑木清方をはじめとする正統な美人画が好きでした、暁斎は達筆で余り女性好みの画風ではありませんが、面白い絵でした。また当時の画壇では評価されておらず。知る人ぞ知るマイナーな存在だったので気に入りました。展覧会があるといえば観に行き、バブルのころまで、「暁斎は凄い画家なのに、みんな知らないんだー」とほくそ笑んでおりました。
日本より海外の評価が高く、欧米の有名美術館やコレクターのもとに多くの名作が渡りました。今回イギリスのイスラエル・ゴールドマンコレクションの里帰りになります。
暁斎のアイコン、「地獄大夫と一休」
日本人は美人画好きなので、美人の絵は画家の代表作になります。地獄大夫と一休禅士がお座敷で遊んでいて、骸骨が三味線を弾いているこの絵は、極彩色で描かれた地獄絵の着物柄が見飽きなく、扇の骨を持って踊る骸骨達も面白いです。画才もあるけれど笑いをとるセンスも抜群です。
この絵も以前は日本人の所蔵でしたが、こちらのコレクションにはいり、UKからの一時帰国になりました。太夫さまが帰国子女然として、一段とお美しくなったようです。

河鍋暁斎「地獄大夫と一休」http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/17_kyosai/introduction.html

ゴールドマン氏と暁斎の出会い「象と狸」
展覧会の冒頭最初の一枚がこの絵です。外国から来た象が日本固有の狸を、興味深げに見ています。画商であるゴールドマン氏はこの絵を一度お客さんに売りましたが、この絵のことが忘れらず数日後に買い戻したそうです。これから暁斎のコレクションがはじまりました。
象さんの表情が慈愛があるのも良いです。

河鍋暁斎「象と狸」http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/17_kyosai/introduction.html
暁斎といえば、一羽千円のカラス
暁斎といえば、第二回勧業博覧会で、鴉の絵を破格の値段である千円と値をつけました。文句を言った人に、この鴉を描くために、どのくらい修行と研究をしたかと暁斎は語りました。その心意気に感じた、榮太樓の主人が千円の鴉の絵を引き取ったという、話が有名です。
暁斎の鴉は名物になって、多くの外国人に買われ、暁斎は海外旅立つ鴉を思い「万国飛」の印を押しました。鴉の絵のコーナーがあり。多数の鴉たちが並びました。精魂めた鴉、手抜きじゃないか鴉、ささっと描いても見事な鴉、いろいろな鴉がおりました。
お土産コーナーで、榮太樓の飴の暁斎パッケージが売らていました。奇縁を感じましたが、どこの美術展でも売られているので、榮太樓の営業力でしょう。

河鍋暁斎「烏瓜に二羽の鴉」http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/17_kyosai/introduction.html
追従を許さない戯画
若くして狩野派の御用絵師になった暁斎ですが、幕藩体制がなくなり失業しました。浮世絵や挿絵など印刷物に活路を開いた。子供の頃の師匠歌川国芳ゆずりの、笑いを取る画風で人気者に、新政府の官僚を風刺して投獄されました。
真面目な本画(浮世絵師でいうところの肉筆画)から浮世絵、挿絵、新聞の風刺画まで幅広く絵を描いています。会場で仏画まで描いていたので驚きました。展覧会最後の「祈る女と鴉」という絵が気になりました。遊女が祈る先には鴉がいる微妙な絵でした。
暁斎の戯画は、何も背景を知らなくても楽しいものです。学校で授業を受ける妖怪とか、鯰の上に乗る猫とか、ともかく面白い!

河鍋暁斎「動物の曲芸」http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/17_kyosai/introduction.html

河鍋暁斎「百鬼夜行図屏風」http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/17_kyosai/introduction.html
お得情報
今回も東急グループの御威光のもと、河鍋暁斎展の半券で、Bunkamuraと隣接する東急本店でサービスが受けられます。飲食店とデパ地下と子供用品などです。詳しくは館内の看板。チラシを参照に!
コラボレーションメニューもあります。こちら!

http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/17_kyosai/
これぞ暁斎(きょうさい)展 概要
This is Kyousai!ゴールドマン コレクション これぞ暁斎 展
w e b: | 美術館のサイト内 http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/17_kyosai/ twitter https://twitter.com/thisiskyosai |
会 期: | 2017年2月23日(火)~4月16日(日) |
会 場: | Bunkamuraザ・ミュジアム |
休 館 日 : | 会期中無休 |
開館時間: | 10:00~19:00 毎週金・土曜日は21:00まで(入館は閉館の30分前まで) |
入 場 料 : | 一般1,400円(1,200円)大学・高校1,000円(800円) 中学・小学700円(500円)( )内、前売り・団体20名以上、 各種障がい者手帳での割引 詳細はサイトで、 |
巡回
高知県立美術館 2017年4月22日(土)~6月4日(日)
美術館「えき」KYOTO 2017年6月10日(土)~7月23日(日)
石川県立美術館 2017年7月29日(土)~8月27日(日)
Bunkamuraザ・ミュージアム アクセス方法
webサイト: | http://www.bunkamura.co.jp/museum/ |
住 所: | 東京都渋谷区道玄坂2-24-1 |
電 話: | 03-5777-8600ハローダイヤル |
アクセス方法 webページ
渋谷駅利用
JR線 渋谷駅 ハチ公口より 徒歩7分
東京メトロ銀座線、京王井の頭線 渋谷駅より 徒歩7分
東急東横線・田園都市線、東京メトロ半蔵門線・副都心線 渋谷駅 3a出口より 徒歩5分
神泉駅利用
京王井の頭線 北口より 徒歩7分
渋谷駅・宮益坂口(東急東横店)⇔東急本店一階東口(Bunkamura)との循環バスが、
9:50~20:15の間に12~15分間隔で運転しています。東急百貨店アクセス
浮世絵動物園

水野年方

歌川国貞
