山種美術館で、おすすめを聞いてきました。
山種美術館の「江戸絵画への視線ー岩佐又兵衛から江戸琳派へー」(7月2日~8月21)のブロガー内覧会に3日の夜参加しました。山種美術館からの、鑑賞のおすすめポイントとお得情報を聞いてきたので、書きますね。

伝 俵屋宗達 「槙楓図」山種美術館所蔵 ブロガー内覧会で許可を得て撮影
すべて山種美術館所蔵の、江戸絵画です。
7月7日で開館50周年になるそうです。近代日本画のコレクションで名高い山種美術館が、意外にも持っていてた、江戸時代絵画のコレクションです。岩佐又兵衛あり、注目の画家伊藤若冲あり、なななんと、酒井抱一が6作品も展示されています。
ブロガー内覧会では、学芸員の三戸信恵さんのギャラリートークがありました。三戸さんは琳派の研究をされている方で、著作にかわいい琳派があります。
会場での展示順に紹介します。年代が前後するのはご容赦ください。
こちらも、江戸絵画への視線展、の楽しみ方を書いています

伊藤若冲を近くで見ると、ありゃ。
東京都美術館の6時間待ちの行列ができたことで、今年のトレンド?になった、伊藤若冲です。会場に入ってすぐの所に展示されています。ガラスケース中にありますが、ぐっと近くで見れます。
「伏見人形図」土人形を描いたもので、漫画チックにカワイイです。若冲といえば、宮内庁所蔵の「動植綵絵」のような写実の極み絵もあります。これはデフォルメして、ゆるきゃ風に描いた?いえいえこれも、リアルです。
三戸学芸員の話では、江戸時代の画家は、筆で描くことにこだわって、一筆で描く「つけたて」という技法もありました。若冲は別でした。絵によく近づくと土のザラザラが表現されています、顔料に素材を混ぜ込んでます。筆に頼らない表現です。

伊藤若冲「伏見人形図」山種美術館所蔵 ブロガー内覧会で許可されて撮影しました。
俵屋宗達・本阿弥光悦
琳派の創始者、宗達が絵、書道家でもあった芸術家の光悦が字を書いた作品が展示されています。「鹿下絵新古今和歌集断簡」と「四季草花下絵和歌冊帖」の展示です。
「鹿下絵新古今和歌集断簡」もともとは巻物。金銀泥で宗達が絵を描き、光悦がバランスよく、西行法師の「こころなき身にも哀はしられけり 鴫たつ澤の秋の夕暮れ」の書を配しています。「秋の夕暮れ」にちなみ鹿が一匹描かれて、デザインセンスの良さを感じます。

俵屋宗達(絵)本阿弥光悦(書)「鹿下絵新古今和歌巻断簡」山種美術館所蔵 ブロガー内覧会で許可されて撮影しました。
すだれ効果、酒井抱一
酒井抱一は6点展示されていました。うち「秋草鶉図」「秋草図」「月梅図」と3点月の絵がありました。いずれも月の手前に、植物、薄と梅を描き込んでいます。学芸員さんはこの植物越しの月を「すだれ効果」と表現しました。
屏風の「秋草鶉図」は、ざわざわしませんか、いい絵ですが、見れば見るほどイッラとする絵でもあります。学芸員さんが気になる、2つの点があると説明してくれました
抱一は銀箔を多用する画家です。月はとりわけ銀をイメージさせます。この屏風の月は、分析してないですが、銀が使われていないようです。抱一なのに月を銀で描いてない。
この月の形、何かおかしいと思いませんか。月の欠け方が左右逆になっています。見慣れた月ではないので、鑑賞者が何だろうと思って見入ってしまいますね。

酒井抱一「秋草鶉図」山種美術館所蔵 ブロガー内覧会で許可を得て撮影
ちなみに酒井抱一は、光琳没後100年に当たる文化12年(1815年)に光琳百回忌法要と展覧会を行い、「光琳百図」を出版しました。今で言う、美術館の学芸員と図録出版の走りみたいなことをしていましたと、学芸員さんが話していました。
※撮影ができるエリアにあります。
鈴木其一は人工美
先に出光美術館のそちらも開館50周年記念の、美の祝典Ⅲ江戸絵画の華やぎ に寄りました。酒井抱一の雷神風神図屏風など鑑賞したのですが、鈴木其一が思いのほか良かったです。
山種美術館では「牡丹図」「伊勢物語 高安の女」「四季花鳥図」が展示。鈴木其一は抱一の弟子です。師匠の代筆をしても、わかってしまう程、個性的な筆致です。
人工的に描く人で、中国の院体画の影響を受けています。さらに物を真正面から描きます。
サントリー美術館で個展があります。秋のトレンドは鈴木其一かな?

鈴木其一 「四季花鳥図」山種美術館所蔵 ブロガー内覧会で許可

鈴木其一「四季花鳥図」山種美術館所蔵 ブロガー内覧会で、許可を得て撮影
※「四季花鳥図」は撮影ができるエリアにあります。
真打、岩佐又兵衛「官女観菊図」
浮世又兵衛と呼ばれ、浮世絵の元祖の方です。波乱万丈な生涯の方でもあります。父は織田信長を裏切った荒木村重、母親は赤ん坊の時磔にされました。だから女性の描き方に特徴があります。女性の髪の流れが複雑に描かれています。この後、又兵衛の系統の画家に引き継がれます。
白黒で描かれていますが、水墨画ではありません。唇にはうっすらと紅が差してあります。

岩佐又兵衛「官女観菊図」山種美術館所蔵 ブロガー内覧会で、許可を得て
南画を意外と所有していました、大観・松園も展示。
池大雅・谷文晁・田能村竹田など、江戸後期から明治にかけて大流行した文人画=南画を山種さんは所有しています。その展示もありました。
ミュジアムショップの奥に第二展示場があります。こちらには、山種コレクションの近現代日本画家が展示されています。上村松園の「蛍」は今の時期ぴったりです。

上村松園「蛍」山種美術館所蔵 ブロガー内覧会で許可を得て撮影
鳥に注目して、鑑賞してみました。

お得情報
☆会期中、きもの・ゆかたでご来館のお客様は、団体割引料金となります。
☆酒井抱一・鈴木其一など4点の屏風の写真が撮れます。
☆ナイトミュジアム 7月22日17:30~19:30 開催、学芸員によるギャラリートーク 要申込み 詳細
☆毎週水曜日11:00より 学芸員による、ギャラリートーク
☆江戸絵画への視線展 特製和菓子 青山の菊屋特製の和菓子が、一階カフェ椿でお召し上がれます。購入もできます。

山種美術館 江戸絵画への視線展 特製和菓子

山種美術館
江戸絵画への視線展 概要
開館50周年記念特別展 山種コレクション名品撰Ⅰ
江戸絵画絵への視線ー岩佐又兵衛から江戸琳派へー
詳しくはサイトで、確認してください。
w e b: | 展覧会ページ http://www.yamatane-museum.jp/exh/2016/edo.html twitter https://twitter.com/yamatanemuseum Facebook https://www.facebook.com/yamatanemuseum |
会 期: | 2016年7月2日(土)~8月21日(日) |
会 場: | 山種美術館 |
休 館 日 : | 月曜日 7/18は開館、7/19は休館 |
開館時間: | 10:00~17:00(入館は16:30まで) |
入 場 料 : | 一般1200円(1000円)・大高生900円(800円)・中学生以下無料 ※( )内は20名以上の団体料金および前売料金。 ※障がい者手帳、被爆者健康手帳をご提示の方、およびその介助者(1名)は無料。 ※きもの・ゆかた割引:会期中、きもの・ゆかたでご来館のお客様は、団体割引料金となります。 ※ 複数の割引の併用はできません。 |
山種美術館アクセス方法
webサイト: | http://www.yamatane-museum.jp/ twitter https://twitter.com/yamatanemuseum Facebook https://www.facebook.com/yamatanemuseum |
住 所: | 東京都渋谷区広尾3-12-36 |
電 話: | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
アクセス方法 webページ
電車 | JR恵比寿駅西口・東京メトロ日比谷線恵比寿駅 2番出口 | 徒歩約10分 |
バス | 恵比寿駅前 日赤医療センター前行都バス(学06番) | 広尾高校前 下車徒歩1分 |
渋谷駅東口 日赤医療センター前行都バス(学03番) | 東4丁目下車徒歩2分 |
山種美術館 江戸絵画への視線展
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子供も歴女も楽しめる、忍者展
ボッティチェリ展
奥村土牛展 山種美術館
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辻村寿三郎の平家物語展


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