悲劇の皇子、護良親王の神社
鎌倉宮は南北朝時代の悲劇の皇子、大塔宮護良親王(だいとうのみや もりながしんのう)をまつった、神社です。後醍醐天皇の皇子護良親王の終焉の地、東光寺跡に明治天皇の勅命により、明治2年(1869)創建されました。創建150年で鎌倉の寺社では新しい神社になります。
梅かまくら特別参拝で、鎌倉宮の方からお話を聞きましたので、加筆しました。
南北朝関連の鎌倉のお寺
浄光明寺 扇ガ谷 足利尊氏が後醍醐天皇を討とうか、出家しようか迷ったお寺です

長寿寺 山ノ内 足利尊氏の邸宅跡、足利尊氏の墓があります。

妙法寺 こちらにも護良親王のお墓があります。息子さんが創建したお寺です。

鎌倉宮アクセス方法
最寄駅:JR横須賀線線鎌倉駅・江ノ島電鉄鎌倉駅東口
バス :京急バス 鎌倉駅 ⇔ 鎌倉宮(大塔の宮)行き 終点大塔の宮 下車すぐ
京急バス、鎌倉駅 ⇔ 金沢八景駅行、鎌倉霊園太刀洗行、ハイランド循環行、岐れ路バス停 下車5分

鎌倉宮 鳥居
見どころ、無料で見れるところ
拝殿までは自由に参拝できます。土牢・宝物殿は入場料がかかります。下記アクセスデータ参考。
手水舎・拝殿
明治時代にできた神社ですので、古建築ではありませんが、開放的な建物です。拝殿には大きな獅子頭が参拝客を見ております。これは親王の兜に獅子頭付けていたことが由来です。
拝殿は鎌倉宮創建時、明治二年に建てられたものです。神明造りになります。

鎌倉宮 手水舎

鎌倉宮 拝殿

鎌倉宮 拝殿
村上社の身代わりさま
拝殿の右側にあります、村上社は鎌倉時代の武将村上義光をまつります。義光は護良親王と戦い、元弘の変で親王の身代わりになりました。
木造の村上義光像の、自分や親族の「きになる」部分をさすると、御利益があります。

鎌倉宮 村上社 身代わりさま
社務所・杯割り舎
社務所は雅やかな建物です。御朱印の受付もこちらになります。杯割り舎・厄割石は、かわらけを石に投げて厄払いします。一回で割れなかったら何度でも投げてよいそうです。

鎌倉宮 社務所 紅葉は12月末撮影で

鎌倉宮 社務所
見どころ 土牢・神苑・宝物殿 拝観料がかかります。
宝物殿
拝殿の左脇から入ります。希望すれば説明も受けられます。

鎌倉宮
土牢
中は広いそうな。ここに9か月間監禁されていたそうです。
護良親王は側室の南御方ほか従者を何人も連れて、寺の建物の中に幽閉されていた説もあるそうです。
土牢に、恋人と閉じ込められる。死の影に怯えつつ… ロマンティックをかきたてられます。かつて護良親王の女性ファンに熱弁を振るわれました。

鎌倉宮 土牢

鎌倉宮 土牢の案内板
神苑、石碑が幾つもあります。
土牢から順路をたどると、木がうっそうと茂る神苑に出ます。鎌倉宮碑(明治天皇の神社創建についてのお言葉)や供養の多宝塔などあります。木は鎌倉では珍しい、楠になります。
鎌倉宮碑については、下の梅かまくら特別参拝の記事でも触れています。

鎌倉宮 神苑

鎌倉宮 神苑
御構廟
建武二年(1335)北条高時の遺児、北条時行が鎌倉幕府再興のため挙兵した、中先代の乱のとき、足利尊氏の弟直義が、北条軍に担がれることを怖れ、鎌倉撤退時に淵野辺義博に命じて、護良親王は土牢から引き出されて殺害されました。
この場所に親王の御首印を、置いて逃げた場所です。
宝物殿
明治天皇の御在所、大正時代の建物でレトロです。中の展示品の撮影は禁止されています。護良親王の生涯が分かるように展示しています。明治天皇などゆかりの品も展示しています。
昭和四十年代に飼われていた鹿のはく製の展示が、個人的には懐かしいです。

鎌倉宮 宝物殿出口 社務所の隣
イベント
草鹿式
五月五日は、草鹿式(くさじししき)です。鶴岡八幡宮でお稽古をしている。弓馬術小笠原礼法鎌倉菱友会が、行います。レポートはこちら。

薪能
十月の鎌倉薪能は、全国の薪能ブームの先駆けです。鎌倉市観光協会主催で行われています。
こらむ1 梅かまくら特別参拝
2019年3月12日に行われました、鎌倉十三仏詣り主催の、梅かまくら特別参拝に参加しました。鎌倉宮の方から伺った話です。勘違い・聞き間違いがあるかも知れませんが、そこはご容赦下さい。
黄色い丸紋の狩衣姿の若い神官さんにご案内していただきました。
村上社は鎌倉宮では大切な境内社だそうです。皆さん村上義明の像をさすってお祈りしました。
本殿のお社は明治二年建立の 神明造り
鎌倉宮では、監禁場所が、土牢説と東光寺の建物内説の両方を取っていました.
土牢の説明では、5~6畳の広さで、神官さんはお掃除していて、軒先にしょっちゅ頭をぶつけているそうです。
鎌倉宮では、土牢は諸説ありますがというスタンスでした。何処に幽閉されたー諸説あります。
鎌倉宮のあったところには東光寺というお寺がありました。東光寺の建物内に親王幽閉説があります。いくら危険人物でも後醍醐天皇の皇子なので、そこはです。
また、土牢自体が、水戸黄門こと、徳川光圀が、これが土牢だと言い出したものが、現在の土牢なので、実物かどうか怪しいところがあります。土牢はのある辺りは東光寺が室町時代に廃寺になって後、荒れ地になりました。光圀が断定した土牢を明治のはじめに整備したのが、今に伝わる土牢となっています。
南の方と一緒に、9か月ここに居ました。中先代の乱により、足利直義の命により淵野辺義博により斬首されたのでした。
御構廟 淵野辺義博が皇子の首を置いたところ。この先に護良親王の御廟があります。
大きな石碑「鎌倉宮碑」は大蔵大臣や日本銀行を創設した政治家、松方正義の筆になります。鎌倉宮の出来た明治2年の前年は戊辰戦争でした。その供養の意味もあるそうです。横に大きなき裂が入っています。これは関東大震災で出来ました。
神苑が作られたのは 明治2年より。楠木は鎌倉ではあまりありません。

鎌倉宮 神苑の楠木
宝物殿の建物は元は明治天皇のお処
宝物殿の建物は、元は明治天皇のお休み処でした。建物の位置も当時は門の近くに玄関がありました。この建物も明治初年のものです。屋根に玄関だった痕跡があり、菊の御紋があります。大正から昭和にかけて海藻して、ガラス戸を入れ宝物殿ににしました。建物自体も向きを変えています。
宝物殿の展示品について
護良親王の、馬上像 仏師の手になるもの。結構大きいです。
護良親王の直垂はレプリカ。本物は東博にあります。皇子は180cmの長身でした。
勝海舟、山岡鉄舟、乃木希典、東郷平八郎、山本五十六などの海軍関係者の書が多く展示されています。これは横須賀の海軍から20年に移されたものです。

鎌倉宮宝物殿 左側の屋根に明治天皇のお休み処の痕跡があります。
獅子頭のお守り、大塔の宮が合戦に持って行ったものです。交通事故にご利益にがあったり。魔除けとして、インテリアに取り入れているお宅があります。
展示されている、お神輿はすぐ近くの荏柄天神のお祭りに出ます。鎌倉宮と護良親王の陵墓を回ります。
宮司さんの案内に替わりました。
鎌倉宮の印象的な紅白の鳥居について、元は木の鳥居でしたが昭和時代に、車に良くぶつけられたことにより、鉄筋コンクリートに変えました。その時の宮司さんが紅白の鳥居にしました。宮の純真な心の「白」と情熱の「赤」だそうです。昨年(2018年)150周年事業により塗りなおしました。

鎌倉宮の紅白の鳥居
11月から3月まで咲く河津桜
河津桜といえば早咲きの桜で有名です。鎌倉より暖かい伊豆でさえ秋には咲かないのですが、鎌倉宮の鳥居前に植えられた河津桜は、11月から3月までと、秋から咲きます。2018年はなんと10月から咲きました。

鎌倉宮 河津桜

鎌倉宮 河津桜
こらむ2 かつて、鹿が飼われていました。
子供のときから、鎌倉宮って鎌倉の他の神社と違うと思っていました。鎌倉宮は創建当初から神社本庁に属してないんですね。昔、1990年代くらいまで?鹿が檻の中で飼われていました。動物園みたいでしたよ。奈良だったか鹿島神宮だかの鹿でした。2匹いたかな。草鹿式に行って思い出しました。


鎌倉宮 草鹿式 鹿の的

鎌倉宮 社務所の牡丹
鎌倉宮と護良親王について
鎌倉宮とは
祭神 大塔宮護良親王 (だいとうのみやもりながしんのう)
祭り 八月二十日
境内社 摂社、南方社(南御方 みなみのおんかた 親王の側室)村上社(村上義光 元弘の変で親王の身代わりとなり自刃)
大塔宮護良親王を祀ることから、鎌倉宮は大塔宮とも呼ばれる。建武の中興につくしたものの、若くして命を奪われた護良親王の意志を後世に伝えることを望んだ明治天皇の勅命により、明治二年(1869)、親王が命を絶たれた東光寺跡に創建された。「鎌倉宮」の名も天皇が自らつけられた。
鎌倉の神社 小事典
大塔宮護良親王とは
護良親王は延慶元年(1308)、後醍醐天皇の皇子として生まれた。十一歳で比叡山延暦寺の大塔に入室したことから「大塔宮」と称された。二十歳で天台座主になったが、元弘元年(1331)、後醍醐天皇の鎌倉幕府討幕のための挙兵に呼応。しかし計画は失敗し、後醍醐天皇は隠岐の島に流された(元弘の変)
一方、親王は還俗して護良と名を変え、楠木正成らと手を携えて幕府軍と戦うとともに各地の武士に決起を促した。その結果、足利尊氏や新田義貞らによって鎌倉幕府は滅び、後醍醐天皇は今日へ戻って天皇親政を復活(建武の中興)護良親王は征夷大将軍になった。
その後、新皇は足利尊氏と対立。捕らえられて鎌倉に送られ、東光寺の土牢に幽閉された。建武二年(1335)、北条時行の率いる北条氏の残党の攻撃を受けた尊氏の弟、足利直義により、護良親王は殺害されてしまう。
鎌倉の神社 小事典
鎌倉宮アクセスデータ
鎌倉宮 情報データ
2022年5月調べ
webサイト | http://www.kamakuraguu.jp/ tweeter https://twitter.com/kamakuraguu Instagram https://www.instagram.com/kamakuraguu facebook https://www.facebook.com/people/%E5%A4%A7%E5%A1%94%E5%AE%AE-%E9%8E%8C%E5%80%89%E5%AE%AE/100008154612147/ YouTube https://www.youtube.com/channel/UCFLJE7OmeJSXAbd9CB4bMag |
住所 | 神奈川県鎌倉市二階堂154 |
電話 | 0467-22-0318 |
入場時間 | 特になし |
トイレ | あります。身障者用トイレもあります |
宝物殿 | 拝観日ー年中無休(鎌倉薪能開催日は14:00まで拝観可能) 時 間ー2月から11月 9:30〜16:30 (入場は16:00まで) 12月・1月 9:30〜16:00 (入場は15:30まで) 拝観料ー大人300円(200円)高校300円(100円) 中学300円(80円)小学150円(60円) ( )内30名以上の団体 |
鎌倉宮アクセス方法
最寄駅:JR横須賀線線鎌倉駅・江ノ島電鉄鎌倉駅東口
バス :京急バス 鎌倉駅 ⇔ 鎌倉宮(大塔の宮)行き 終点大塔の宮 下車すぐ
京急バス、鎌倉駅 ⇔ 金沢八景駅行、鎌倉霊園太刀洗行、ハイランド循環行、岐れ路バス停 下車5分
近くの名所
荏原天神

来迎寺(西御門)

鎌倉宮


覚園寺


瑞泉寺

白旗神社 西御門

2016年6月11日初出
2017年2月16日一部画像張替と加筆
2018年2月3日改訂
2019年3月19日改訂
2022年2月17日改訂
2022年5月9日改訂