鎌倉で一番古いお寺
私、江戸紫は鎌倉に52年住んでいます。はじめて杉本寺に行ったときは、まだ小学生でした。
引率の先生にから「城です」と説明を受けました。調べてみましたら、戦国時代の話かと思いましたら、南北朝のお城でした。
杉本寺は、鎌倉で一番古いお寺です。2位は長谷寺で2年後創建になります。
坂東三十三所観音霊場巡り 一番札所となっています。本堂で巡礼用品が販売されています。
アクセス
最寄駅:JR横須賀線線鎌倉駅・江ノ島電鉄鎌倉駅東口
バス :東口、京急バス、
鎌倉駅⇔金沢八景駅行、鎌倉霊園太刀洗行、ハイランド循環行、杉本観音バス停下車 3分
見どころ
仁王門
仁王様は運慶作とのこと、門は江戸時代に建てられました。享保十五年(1730)に観音像の巡回開帳をして建立したようです。
仁王門の古建築データ
- 時代 江戸中期
- 形式 八脚門
- 広さ 三間×二間
- 屋根 切妻・茅葺
- 柱と軒組 三斗・蟇股

杉本寺 仁王門

杉本寺 仁王門
弁天堂
苔の階段の手前、右側にあります。
サイトによると、「古来より、当山の弁天尊をお参りすると大きな蔵が建つ程富に恵まれるという言い伝えがある 」ありがたい弁天様です。

杉本寺 弁財天
苔の階段、
80年代まで参拝客は、こちらの階段を登りました。鎌倉石の階段で、風情のあるものでした。鎌倉石は摩滅しやすく、保全のために立ち入り禁止になったようです。
苔が生えすぎて、「鎌倉石の良さが見えないのですが」と思うのは昔を知る市民だけなのかしら。

杉本寺 苔の階段
本堂
杉本寺は、本堂に上がれます。仏様のすぐそばまで行けます、お像の前に坐ってじっくり仏像が観れます。他のお寺ではなかなか出来ない体験なので、おすすめです。
仏教が近くなる感じがするので、他のお寺でも、仏さまのソバまで行けるのは、やってほしいです。
奥のガラス窓から、内陣の三体の秘仏の木造十一面観音像がちらりと見えます。本堂内の仏像の配置図と説明はこちらを参考に。
杉本寺の十一面観音には伝説があります。
吾妻鏡によると、文治5年(1185)十一月、隣家からの火事で本堂が焼けました。三体の秘仏の観音像が自力で、庭の大杉のもとに避難し、「杉の本の観音」と呼ばれるようになりました。
いつの頃か、寺の前を馬に乗ったまま通ると、必ず落馬するので「下馬観音」呼ばれました。建長寺の大覚禅師が祈願し袈裟で観音を覆ったので、「覆面観音」ともいわれました。
鎌倉の寺 小事典
本堂も江戸時代、宝永二年(1705)に深川で観音像を出開帳して、建立されました。江戸の人達の信仰により建てられました。本堂の一部には、前の本堂の木材が使われています。
古建築データ
- 時代 江戸時代 宝永六年
- 形式 五間堂
- 広さ 五間×五間
- 屋根 寄棟・茅葺
- 柱と軒組 丸柱 舟肘木
参考文献 近世の寺社建築 日本の美術 第530号 (530) 単行本 – 2010/6/12熊本 達哉 編

杉本寺本堂
権現堂
白山・熊野両権現をお祀りしています。本堂の右手奥 神像が祀られているそうです。

杉本寺 権現堂
8月10日は 四万六千日 0時開門で拝観料無料です。
8月10日は、この日にお参りすると、46,000日分の御利益がある、四万六千日です。
タイムスケジュールは
- 午前0時 開門
- 6時から 大護摩
- 10時から 法要で散華撒きがあります。
2019年の四万六千日の、散華撒き法要に参加しました。この日は覚園寺の黒地蔵盆からまわり、10時の散華撒きに参加しました。
本堂に上がることが出来ました。堂内は熱心なお檀信徒さんが多く。法要がはじまると、お坊様の後ろの信者が法要中、団扇で僧侶の方を扇ぎ続けていました。この光景は迫力がありました(失礼)。
法要中の散華が撒かれ、頂きました。本堂の前でも散華撒きが行われます。
御朱印を頂く列が、外まで伸びていたので、この日は特別な日なんですね。

杉本寺 8月10日 四万六千日 散華撒き
8月10日は、覚園寺・安養院・長谷寺でも開催、豊島屋は、鳩の日です
近くの覚園寺で黒地蔵盆、大町の安養院、長谷寺でも四万六千日があります。
鳩サブレーの豊島屋では8月10日を、鳩の日ということで、限定品を求める列が鶴岡八幡宮の方まで伸びていました。
SNSで話題になっていて、限定缶を手に入れた人が、次々と写真をアップしていました。帰省土産にすると喜ばれます。
覚園寺 黒地蔵盆 0時より12時 入場無料 朝から中華粥の食事が出来ます


安養院 5時から9時までは、入場料が無料

長谷寺 4時から8時までは、入場料が無料

こらむ、
天台宗のお寺は、杉本寺と宝戒寺だけ
鎌倉で天台宗のお寺は、ここ杉本寺と、宝戒寺だけです。同じ密教系の真言宗のお寺は杉本寺の近くの覚園寺・明王院など結構あります。
2つの寺の住職さんは、同じ家の方だと以前聞きいたことがありまうす。webサイトでもリンクがあります。Facebookも両寺院やっています。杉本寺 宝戒寺
拝観の方法が両寺院は同じで、本堂内は写真撮影禁止ですが、本堂に上がれて、仏像のすぐそばまで行けるところが同じです。
熱心な人は仏像の前に坐り込んで、鑑賞しています。
仏像との距離が近いお寺!仏像マニアに杉本寺・宝戒寺はおススメです。
宝戒寺

杉本城と杉本城の戦い
杉本城
杉本城は三浦大介義明の長子、杉本氏の祖、杉本義宗が杉本郷に居を構え、城をつくりました。六浦道(金沢街道)抑える要衝であった。頼朝の挙兵後は、平家方の畠山重忠との合戦に使われた。鎌倉の重要軍事拠点だった。(Wiki杉本城 より)
杉本城は境内から、裏山だと推察されます。
杉本城の戦い
南北朝の動乱の時、建武四年(1337)北朝・足利方の斯波家長が杉本城を守っていた。朝比奈切通しより、南朝・後醍醐天皇に命じられ、北畠顕家が義良親王を奉じ、杉本城を攻撃。三日間持ちこたえて、落城した。斯波家長は討たれた。この戦い後、足利義詮は安房に撤退した。(Wiki杉本城の戦い より)
南北朝の戦いが終わると、杉本城は城としての役目を終えました。
杉本寺 杉本観音とは
- 宗派 天台宗
- 山号寺号 大蔵山観音院杉本寺 (だいぞうざん かんのんいん すぎもとでら)
- 創建 天平6年(734)
- 開山 行基菩薩
- 開基 光明皇后
- 本尊 十一面観音
- 坂東三十三所観音霊場 第一番札所 十一面観音
- 鎌倉三十三観音霊場 第一番札所 十一面観音
坂東三十三所観音霊場の第一番札所で、鎌倉幕府が開かれる五〇〇年近くも前に建てられた鎌倉最古の寺。(略)
天平三年(731)関東地方を歩いていた行基菩薩が、鎌倉の大蔵山から街を眺め、「ここにこそ観音像を置こう」と思い、自ら彫刻した像を安置した。その後、光明皇后が夢の中で「財宝を寄付して東国の治安を正し、人びとを救いなさい」と観音のお告げを受け、天平六年(734)に本堂を建立したといわれている。
鎌倉の寺 小事典
杉本寺のアクセスデータ
観光データ
webサイト | http://sugimotodera.com/ |
住所 | 神奈川県鎌倉市二階堂903 |
電話 | 0467-22-3463 |
駐車場 | なし |
入場時間 | 9:00~16:00 最終入場15:45 |
拝観料 | 一般(高校生以上)300円 中学生 200円、小学生 100円 |
御朱印受付 | 本堂寺務所 |
トイレ | あります。 |
アクセス方法
最寄駅:JR横須賀線線鎌倉駅・江ノ島電鉄鎌倉駅東口
バス :東口、京急バス、
鎌倉駅⇔金沢八景駅行、鎌倉霊園太刀洗行、ハイランド循環行、杉本観音バス停下車 3分
近くの名所
報国寺

旧華頂宮邸 木・金・土・日・祭日はお庭公開です

浄妙寺

明王院


光触寺

十二所神社

2016年5月19日初出
2017年6月21日改訂
2018年2月3日改訂
2019年8月29日加筆・写真貼り直し
2022年6月28日改訂