海と寺と紫陽花、鎌倉に求めるものが全てあります。
紫陽花でさんざん話題になっているので、気にはなっていたのですが。2015年10月にはじめて行きました。気にはなってもブログでも書かないと、地元民は行かないものですね。行って驚きました海が望める寺、これはメディアが取り上げるはずですね。
成就寺さん、マスコミが取り上げるので、見どころ満載のお寺だと勝手に思っていました。実際に行ってみて、紫陽花寺では先輩の明月院とは別の趣き。お寺が小さく、石の階段の脇しか紫陽花がありません。私の記憶によれば、成就寺の紫陽花が注目されたのは、40年前の1970年代。
40年間人気が途絶えなかったのは、海ですね。観光客が鎌倉に求めている、海と、お寺と、紫陽花、3つがここにあります。鎌倉で海が見える寺は、ここと長谷寺くらいしかありません。海に近いなら光明寺があります。ここからは見えません。鎌倉で、この風景はここ成就院にしかありません。
成就院さん、どこかのお寺みたいに、出しゃばってなくて、好感度持ちました。(地元だから噂聞くのよ)
成就院は、景色を楽しみ。歴史をしのびましょう。
成就院は建物や仏像の、古い時代の物が見られるかというと、全然見られません。私にはちょっと残念でした。極楽寺同様、南北朝の戦争で焼けたから仕方がないですね。この寺は景色を楽しみましょう。
歴史を感じるのであれば、寺の下を通る道に注目。「極楽寺坂」は今は山を切崩した、「切どおし」にして、通り易くなっています。昔は成就院と同じ高さに道がありました。想像してください。極楽寺から鎌倉に行くのには、急な坂を上がり、また下っていたのです。静御前も、西行法師も、文覚上人も西から来た人はこの坂を越えていったのです。

成就院
観光に便利!長谷・極楽寺 地区観光便利メモ

成就院の見どころ
山門
江戸時代の門だそうです。
江戸末期 四脚門 虹梁大瓶束笈形式 1間×2間 切妻・銅板葺き 丸柱 三斗詰組

成就院 山門

成就寺 山門
本堂
江戸時代安政年間に建てられました。
安政三年(江戸末期) 方丈系本堂 7間×5.75間 入母屋・瓦葺 角柱

成就寺 本堂
庭園、宝物のレプリカがそここに。
はじめて来た時に、お庭中にオブジェがあるお寺だなと思いました。このオブジェは本堂にあって普段参拝客にお見せできない仏像のレプリカもあります。面白いオ・モ・テ・ナ・シ!
本尊の不動明王像の銅像のレプリカ、公式によると、恋愛成就のパワースポットだそう。婚活なのか寺マイラーなのか、熱心な女性がスマホで撮影していました。待ち受けにしたら良縁に恵まれたそうです。

成就寺 本尊 不動明王像のレプリカ
デザイン的に気になったのは、こちらの龍です。手水鉢になって門の近くにあります。蓮の鉢が印象的です。由来は分かりませんが印象に残りました。

成就院
荻原碌山「文覚」に影響を与えた、「文覚上人荒行像」
庭にレプリカが置いてある、「文覚上人荒行像」は明治の彫刻家荻原碌山の「文覚」 の制作に影響を与えました。
文覚も碌山も、人妻との恋に苦しみました。文覚は不倫相手の夫を殺害して出家。碌山はパトロンの奥様に実らぬ恋をして若くして亡くなりました。明治四十一年夏、碌山は成就院で文覚像を見て「僕は之を一瞥した其の瞬間印象は今も打ち消すことが出来ぬ」と印象述べています、この年の文展で「文覚」が入選しました。
明治四十一年(1908)夏、この像を見た彫刻家・荻原守衛は「僕は之を一瞥した其の瞬間の印象今も尚打消す事ができぬ」と強い衝撃を受けた。その後すぐ、ある漁師をモデルに制作にとりかかり、その像に「文覚」と題して、その年の「文展」に入選を果たした。
成就院~紫陽花と縁結びの寺~

成就院 境内の文覚像 レプリカ
2018年の参道の紫陽花
成就寺は紫陽花から萩の寺に、シフト中!
<2018年*成就院参道のお花>
2018年成就院参道にアジサイはございません。
参道にはアジサイに代わり<萩>の苗を昨年より少しずつ植えております。成就院公式サイトより。http://www.jojuin.com/kouji.html
実際に行きましたら、参道に一部、紫陽花が植えられていました。現在30株程度だそうです。今後の紫陽花の成長が楽しみです。

成就院2018年の紫陽花

成就院2018年の紫陽花

成就院2018年の紫陽花
虚空蔵堂
成就院の海の見える方の、階段を下りると、たくさんの白い旗が、はためいているのが見えます。そこが虚空蔵堂です。成就院のお堂です。奈良時代に行基が像をつくりまつったという伝説があります。虚空蔵菩薩まつられていて、毎年1月13日、5月13日、9月13日に開帳、11時と14時に、護摩焚き供養が行われています。
虚空蔵堂は地元の人が、お堂のお世話をしていて、好感を持ちました。地元の人に大切されているのいいですね。
虚空蔵菩薩堂の護摩焚き供養


成就院 虚空蔵堂

成就院 虚空蔵菩薩堂

成就院 虚空蔵堂 本堂の獅子の彫刻
虚空蔵堂の入り口の獅子像は可愛いです。

虚空蔵菩薩堂の獅子像
虚空蔵堂の行事 護摩焚き供養と十三詣り
毎年1月の13日に虚空蔵堂で護摩焚き供養が行われます。時間は11:00と14:00です。
虚空蔵菩薩堂の護摩焚き供養の体験記です。 2017年9月13日のレポート

毎年3月~4月にかけて、数え年十三歳の子供が虚空蔵菩薩様に知恵を授けてもらう、十三詣りを執り行っています。電話で受付になります。詳しくはサイトで。
虚空蔵堂のwebページ 電話0467-22-3401
星の井
虚空蔵堂の入り口に、いくつかの石碑がたっていまし。「鎌倉十井」の一つ「星の井」です。
伝説によると、奈良時代行基が全国行脚していたとき、虚空像求聞持という法したところ、この井戸に三つの明星が輝き、その光が岩まで映って鏡のようでした。それが七晩続きました。行基は不思議に思い、井戸の水をくみ上げたところ、底から、光る変わった形の黒い石が出て来たので、虚空蔵菩薩様が石になってるのに違いない。それが天皇の耳にはいいり、行基が虚空蔵菩薩像を作りました。

星の井

星月夜の石碑

成就院 虚空蔵菩薩堂 星の井水神
成就院・虚空蔵堂とは
成就院
宗派 真言宗大覚寺派
山号寺号 普明山 法立寺 成就院 (ふみょうざん ほうりゅうじ じょうじゅいん)
創建 承久元年(1219)年 承久三年説もある
開山 弘法大師
開基 北条泰時(伝)
本尊 不動明王
鎌倉三十三観音霊場 第二十一番札所 聖観世音菩薩
本尊の不動明王は縁結びの御利益があり、(略)また弘法大師が諸国巡礼のおり、100日間にわたって虚空蔵菩薩をまつる修法を行ったところとして伝えられている。(略)
その後承久元年(1219)鎌倉幕府三代執権北条泰時が都から高僧をを招いてこの寺を創建し、北条一門の繁栄を祈ったという。
新田義貞により幕府が滅ぼされた元弘三年(1333)の戦火で焼け落ちた(略)
鎌倉の寺 小事典
虚空蔵堂
山号寺号 明鏡山 円満院 星井寺(めいきょうざん えんまんいん ほしいでら)
十三佛霊場巡拝 第十三番札所 虚空蔵菩薩
本尊は虚空蔵菩薩で、奈良時代に行基が像を彫ってまつったと伝えられる。鎌倉時代には源頼朝の命により秘仏とし、三十五年に一度だけ開帳されていた。現在は毎年 一・五・九月十三日に開帳されている。
鎌倉の寺 小事典
鎌倉春秋社より「成就院~紫陽花と縁結びの寺~」(定価617円)が出版されています。こちらの本も参考にしました。漫画家の竹宮恵子さんと住職の対談が載っています。
アクセス方法
webサイト: | http://www.jojuin.com/ |
住 所: | 成就院 神奈川県鎌倉市極楽寺1-1-5 虚空蔵堂 神奈川県鎌倉市坂下18-28 |
電 話: | 0467-22-3401 |
メールアド: | info@jojuin.com |
入場時間 : | 8:00~17:00 11/1~3/1 ~16:30 |
拝 観 料: | 無料 |
成就院 アクセス方法
最寄駅:江ノ島電鉄極楽寺駅下車 徒歩五分
虚空蔵堂 アクセス方法
最寄駅:江ノ島電鉄極楽寺駅下車 徒歩五分 長谷駅下車6分
虚空蔵菩薩堂の護摩焚き供養


成就院より由比ガ浜
近くのお寺と神社
観光に便利!長谷・極楽寺 地区観光便利メモ

極楽寺
御霊神社
収玄寺
長谷寺
光則寺
鎌倉大仏 高徳院
甘縄神明宮

2015年10月14日初出
2016年2月29日改訂
2016年3月17日改訂
2017年1月3日加筆
2017年4月10日加筆・画像追加・訂正
2017年9月14日改訂
2017年9月17日改訂・画像追加
2018年2月7日改訂
2018年6月2日改訂・画像貼り直し
2019年6月19日リンク貼り直し
2022年2月23日改訂