好きに飾れば、破たんする。
家具の世界に、足を踏み入れようとも思わなかったころ、インテリアコディネターと。雑貨スタイリスト2人に言われました。スタイルストさんはカリスマでした
「あなたの好きなものを飾れば、あなたらしい、インテリアになります。」
これを聞いた瞬間、破たんするから、やめてくれーと思いました。
理由1、人に好きなものを上げてくださいというと、生理的にダメなもの以外好きと答えるので、80%~95%好きになってしまう。各インテリアスタイル・様式の綺麗な写真を見せて、アンケートを取ったら、好きなスタイルが多数になる。
理由2、人は矛盾しています。シンプルインテリ大好きな人が、ヴェルサイユ宮殿も好き。好きは理論統一できません。
理由3、日本人は、インテリアの様式について、教わっていない。昔は着物命の着道楽な民族でした。外国人から見ると、日本人は凄いおしゃれに見えるそうです。バブル以降食にこだわるグルメ民族になりました。住については、歴史的に教育もしつけも受けてません。
インテリア様式を、重視したい。
失敗しないインテリアは、インテリア様式にのっとってコーディネイトすることだと、考えています。
北欧モダンでも、ヴィクトリアンでも。北欧スタイルならリプロでもヴィンテージでもいいから、60年代の北欧デザイン家具を集め、雑貨もテイストが近いもので統一。こういうことを教育としつけで、教えないんだよね。
「好きなものを買えば」日本の売上げ優先の、店員の嫌らしさを感じます。フランスのブティックの店員は似合わない服を、お客に売らないという話を聞きます。客が欲しいといえば、インテリアが破たんすると分かっていても売る。悪い商習慣です。
ただいま迷える日本人は、捨てまくり中です。
買い物選びには、知識と教養と理性と戦略と戦闘心がいります。
インテリア中・上級ならば、好きなものだけでコディーネートしても。萩の茶碗とマジョリカ焼の大皿を取り合わせて、風情がある室礼・インテリアにできるでしょう。にわかにインテリアに手を付けたい、初級の日本人には無理。
インテリア用品は、嫌いなものは絶対に買わないでください。好きなものしか買わないでください。ただしお買い物選びには、知識と、教養と、理性と、戦略と、戦闘心が必要です。(最後のはギャグね)
2015年8月20日初出
2016年9月12日改訂