四谷シモン展 2014年
展覧会の様子
会場: | 横浜駅東口 そごうデパート 6階、そごう美術館 |
期日: | 2014年5月31日~7月6日 |
「SIMONDOIL 四谷シモン」展が正式名称です。四谷シモンさん生誕70年を記念する、展覧会で、初期作品から、3.11後の作品まで出展されておりました。
たいがいの展覧会は、若いときからの制作年代順に展示しています。この展示は総体的には制作年代を追っているけれど、ジャンル別に展示していました。
会場ではヌードの少女人形のコーナー、ドレスを着た少女人形の部屋、時代の空気を濃厚に映した、娼婦人形のコーナー。そこから曲がると。俗と聖とは隣り合わせ、キリストの頭部のシリーズ。という具合に展示されていました。
こんな作品あるのかびっくり、人形を通り越し礼拝するイコンです。シモンさんは、キリスト教の正教と関わりがあるそうです。宗教シリーズはシモンさんの、高度な制作力に驚かされました。少年人形と自画像人形が特に美しい。

四谷シモン展 2014 そごう美術館
意外にも、制作方法は日本人形。
シモンさんの制作方法は、意外にも、伝統的な日本人形の作り方だそうです、型に張り子で人形を形作り、木の粉をボンドで練ったものを塗り、肌を整えて上塗りするとのこと。(間違っていたらごめんなさい)
最後のコーナーで、3.11後の人形たちが展示されていました。肌をざらざらな、今までのシモン人形の滑らかな肌を捨てた人形たちでした。すべやかな肌がなくても、人形の美は崩壊していませんでした。

2014年四谷シモン展 そごう美術館
俳優、四谷シモンもいいけれど。
家に帰って、母に、四谷シモンの展覧会に行ったと話したら。「俳優さんね」と言われました。テレビドラマしか見ない母には、四谷シモンと言えば俳優で、人形作家が本業であると説明しなければなりませんでした。俳優四谷シモンは、藤田敏八(この人も本業は映画監督でしたね)亡きあと、長身で細身、知的でミステリアスな中年男性が演じられる奇特な方なので、俳優活動も期待したいです。
しかしながら、人形作家として制作することで新境地を開いて欲しいです。これからも人形たちを作っていただきたいです。
澁澤龍彦が泉下に下って、20数年、澁澤龍彦の薫陶を得た方は、何人もいらしゃいますが。これほどまでに、一般の市民社会に受け入れられている人はいないでしょう。澁澤の魔道を他の人よりも強く引き継いでいで、在命中は球体関節少女人形で澁澤の思想を体現しました。四谷シモンが社会に認められているのは、澁澤龍彦自身が、魔道を極める人でもあり。まっとうな大人だったからだと思います。

四谷シモン展 2014年 そごう美術館
今回会場の1コーナーだけ、写真撮り放題でした、そこで撮影した写真です。最後は人形たちの靴の写真ですが、気になりました。初期に作られた、ヌードの少女人形も、靴だけは履いていました。この上質な作りの靴をはいて、人形たちは何処に行こうとしているのでしょうか。
人形の記事があります。
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2017年10月24日訂正して再掲載
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