バルテュスは渋澤龍彦で知りました。
澁澤先生の本で、「鏡を持つ裸婦」「スカーフを持つ裸婦」の図版を見たとき、現代画家でも、私が見られる絵が描ける画家もいるんだと感激、私は現代美術に魅力を見出せません。私の小学生のころまで。ピカソ、ダリが生きていました。20代になってからは、現代美術に失望を禁じえなくなり。オールドマスターの画家を愛好する傾向になっていましたので、バルテュスはオールドマスターと同質な絵が描けて、なおエロティスムを描くことで、まごうことなき現代を描き続けた画家だと、理解しています。
衝撃の1993年の展覧会
1993年 東京駅ステーションギャラリーの展覧会で私は、はじめてバルテュスの絵を拝見しました。会社帰りに夜行ったのです。観覧者も少なく、先の2点をはじめとして、多くの代表作を観ました。時間をかけ一度見た後また展示室に戻って何回も観ました。本当に至福の時間でした。数少ない観覧者も、若いアーティスト系の人と見受けられ、「魔道」知る人のみが、密やかに鑑賞しておりました。
感想
その後、婦人雑誌に、奥様が日本人とうこともあり取り上げられ。2001年に亡くなってからは、勝新太郎と交流があったなど。誤解を受けるようなスキャンダルが浄化されて、一般人にも知られてきているなと感じるようになりました。
感想は、前回のステーションギャラリー展が、私にとって至福すぎたので、不満が残りました。
観客に普通の人が多すぎる、定年退職後の中高年の男性や、絵画教室のお友達の同士の女性客が多く、フェルメール展よりは少なかったですが、人が多くて、バルテュスの世界に、没頭できませんでした。
それと油絵の出展が少なく、名品の幾つかがなかったです。多くの作品が海外の有名美術館に収蔵されいるからと思われます。個人的に「かがみねこ」との再会が果たせなかったのが残念です。
その日は、銀座を回ってから、帰宅したのですが。帰路思ったことは、「次は国立美術館だな!」画家としての格は段々高くなる方なので、作品数を集めた個展は、東京では、国立西洋美術館か新国立美術館かな。私的には前者が圧倒的に見やすいんですが。スイスには足が向きませんが、ポンピドーでも行きましょうか。

上野公園 バルテュス展
里見浩太郎さんプレゼントの、絣の波模様の着物、良い柄でした。


2016年5月24日改訂
2021年6月28日改訂