ヴィクトリア時代の本が、読みたくなりました。
「スティームパンク大百科」マダムスチームこと五十嵐麻理さんの影響で、ヴィクトリアンスタイルのインテリアの本が読みたくなりました。amazonでこちらの本をとりよせました。
「ヴィクトリア時代の室内装飾 女性たちのユートピア」川端有子 村上リコ 吉村典子著 LIXILギャラリー企画委員会編集 LIXIL出版を買いました。

amazonより
感想、インテリアデコ・収納などに、役立つ実践法。
装丁が少女漫画みたいで、男の人は買いにくそうな本です。当時の本から取られたイラストです。ビクトリア時代は少女の時代ですな。堂々と「女性たちのユートピア」と入れてます。
女性がインテリアを創っていったのだという。当時の雑誌などの挿絵を載せたページが良かったです。アップライトピアノを日本家庭のように壁に押し付けず。部屋の中央に置き、女主人の手芸品で飾られていたのは、現在の日本人からすれば、目から鱗のアイデアです。
この本の良いところは、今まで読んだヴィクトリアンインテリアの本より、分かり易かったです。
ヴィクトリアンスタイルと称して、ロマンティックスタイルと区別がつかない本もあり。英語を独習していた時は雑誌のVICTORIAN HOMESも買いました、アメリカの雑誌なので、アングロサクソン系の人の恋する、ヨーロッパ生活のようで、ヴィクトリア朝とはずれている印象を持ちました。
ヴィクトリアンスタイル・インテリアは現在日本のインテリアの不満を解消するアイデアの宝庫かも。
日本人は、時代劇や戦前までの映画ドラマあるいは絵画で、何も置いてない日本家屋を見ているためなのか、物がたくさん表に出ていることを嫌います。
座敷に何も置いてないのは。本当は、中流以上はメイドさんならぬ女中さんがいたから。庶民は持ち物が少なかったからです。それを忘れていますから。
江戸時代後半から布団など、じわじわと物が増え、戦後爆発的になり、それでも何も物が置いていない空間を求めているのが、現代日本人のインテリアへの不満の正体です。あこがれの和モダンインテリアと、現実は遠いんだもの。
ヴィクトリア朝のレディーたちなら、こう言います。
「物があるのは豊かなのよ、だから、好きなもの、おうちの宝物をどんどん飾って。心も豊かになりましょうーよ。」
装丁はコージーで素敵だけど、言わせて。
残念なのがページ数が少ない。もっと当時のヴィジュアル資料を駆使して中上流階級の、ヴィクトリア時代のインテリア実例を載せて欲しかったです。
冒頭のカラーページで、現存するヴィクトリア時代そのままの住宅の紹介があります。これも1軒だけでなく、貴族のお城と、室内装飾の博物館の展示でも良いので、3軒くらいカラー写真で紹介してもらいたかったです。
日本人のカメラマンが撮影することで、日本人が知りたい、ヴィクトリア時代のインテリアの神髄が、写真に切り取られれば、読者のコーディネートの参考になると思います。日本人視点が大事。
タイルのページを減らして、他のインテリア情報を増やして欲しかった。ヴィクトリアン装飾タイルの紹介ページが、長々とカラーでページあって最後に、花柄もしくブルーアンドホワイトのトイレの便器を見たとき、私はデジャブ感にとらわれました。
以前読んだトイレの本のことを思い出したのです。出版社名を見ると、LIXIL(リクセル)出版。元INAX(イナックス)出版だわ。ここのページは押さえた方がよかったです。
ページ数が72ページと少ないにも関わらざず。五十嵐麻理著「ネオ・ヴィクトリアンスタイル DIYブック」と同じ、本体価格1,800-でした。あちらはオールカラーで2倍の144ページ。
もっとページ数を増やして欲しかったです。コストパフォーマンス的には文句が言いいたいです。
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