「恋せよきもの乙女」山崎零、着物を着るリアルが丁寧に描かれています。

恋せよキモノ乙女 kindleキャプチャー画像
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「恋せよキモノ乙女」はこんな漫画

着物が好きなので、snsで好みの着物屋さんや、アンティーク着物店、着物を楽しんでいる人人をフォローして楽しんでいます。そんな人たちが話題にしていたのが、山崎零(ぜろ)さんの「恋せよキモノ乙女」でした。kindleunlimited(読み放題)に一巻目が出ていたので、早速読んだらハマってしまい、電子書籍で全巻買ってしまいました。

山崎零さん、上手い漫画家さんだなと思いました。大阪在住で、別名義で日本画家の活動もされているそうです。

「恋せよキモノ乙女」は、お休みの日に着物を着てお出かけする、大阪のOLのももが主人公。単行本一巻に6話で、大阪・京都・兵庫・奈良・滋賀・和歌山の2府4県のスポットに、着物を着てお出かけします。緩やかな恋愛模様もあります。

電子書籍なんですが、カバー裏表紙・折り返し・本体の可愛らしいイラスト・装丁も収められていて、嬉しいです。何度でも眺められる漫画です。


着物のリアル

「恋せよキモノ乙女」は着物を着る人の、実体験を裏切らない漫画だと思います。これはももちゃんのように、お母さんお祖母さんの着物を受け継いでいる人も、リサイクル着物でスタートした人も、呉服屋さんで新品を誂えている人にも、「あるある、この感じ」と頷きたくなりシーンがあります。

毎回、着物に着替えるシーンが出てきます。着物を着ていると季節に合わせて、下着から変えていきますし、何を身につけるかはその人によって変わるので、もっとしっかり描いて欲しいなと、私個人的に思います。下のインタビューによると、男性読者に向けてだそうです。

着つけるとき身体が感じることなど、もっと深く描いて貰いたいな。着物を着る醍醐味は外から見られる着物だけじゃないんです。長じゅばんが正絹だと感触が良くて嬉しいなんてね。

山崎先生:最初の打ち合わせでは、女の子がおでかけするまでの姿を描いた短い着物漫画を描く予定でした。掲載する雑誌には男性読者が多くいらっしゃるので、普段覗き見ることのできない部分を見せられたら面白いんじゃないかという話になりました。着付けをしているシーンをしっかり描くのは、その頃から決めていたことです。

単行本4巻発売記念!漫画『恋せよキモノ乙女』作者・山崎零独占インタビュー! _ KYOTO CMEXポータルサイト

コディネートの参考になります。

各巻の冒頭のカラーページに、この巻各話のコーディネート姿の、ももちゃんのイラストが載っています。本編にはコーディネートが細かく描かれているいますがモノクロなので、砂色の紬に、お母さん特性の黒地にミモザの半幅帯ってどうなの?(4巻収録 24話)気になるときはこのページ見ると、カラーが分ります。楽しんでます。

きものスタイリスが付いているので、各話にストーリーとは別の今月のコーディネートと柄についての紹介ページもあるので、実際のコーディネートの参考になります。これを見ながら帯揚げが欲しいよと思ってしまいました。

山崎先生のツイッターによると、実際にコーディネートをし、写真に撮っています。丁寧な仕事です。お姉さんが京都の長楽館で結婚式を挙げた(4巻収録 22話)でももが身に着ける総絞の振袖は、先生のお母さまのだそうです。ももちゃんのキャラにあった、振袖でした。

山崎零先生のTwitter https://twitter.com/kanariazero

愛されももちゃんの戦略、白襟からはじまる、巧妙な着物紹介

インタビューで山崎先生も

着物は、周りからの目が厳しい世界だという印象が肌感覚であったんですよね。

と語っているように、着物をめぐる環境はきついものがあります。ある男性大学教授がツイッターで「古典的な着付けしか許さない」という趣旨のことを言っていました。着物を着ない人にとっては、昔の着付け、正確には昭和の礼装の着付けしか知らないので、卒業式でもないのに女性が袴をはいたり、男性がネルのシャツを長着の下に着たり(大正時代の若者の服装何ですが)をなど服装の乱れにしか見えないのかな、もっと過激な洋装ミックスは許さんぞということ。この人は、着物を着ない人なんだろうな。理想はバブル時代の礼装なんでしょう。

「恋せよキモノ乙女」は本当に、読者に違和感なく受け入れられるよう。よく考え抜かれています。それは白襟と古典柄です。

ももはお祖母さんの若い頃の着物を受け継いでいます。その着物は古典柄が多く、季節の花のコディネートを楽しませてもらっています。多くの人が抱く着物の柄ということで、古典柄をにしたのはいいですね。

もう一つは白襟、白の無地の塩瀬の半襟です。長着・表着の下の長じゅばんに付ける襟のこと。

昭和からバブル時代にかけて、着物の半襟は白でした。私の母は白い半襟しか持っていませんでした。勿論戦前や大正時代には、色襟や刺繍襟が大流行したのは皆さん知っていました。当時はウールの普段着まで白襟でした。

現在では色のついた半襟、柄物の半襟も普通になってきました。普段着には日本手拭や洋服地を使う人もいます。イタリアンレストランに行く程度の、小紋の着物でも、白じゃ面白くないという時代です。それでも礼装の、黒留袖・色留袖・喪服は白襟です。これは地域差はあると思いますが。

着物に縁のない人ほど、正礼装の結婚式の披露宴の場以外で着物を見ないと、色・柄襟に違和感を感じ。着物は白襟しか知らない人も実はいるんじゃないのでしょうか。

「恋せよキモノ乙女」でももちゃんが、柄襟を付けたのは、冒頭のカラーのコディネートページでは3巻めからです。実に連載が一年経過して、ももちゃんが失恋して心機一転というところからです。

幅広い人に受け入れられるには、ひと時代前の常識を使う、これマーケティングに使えそうです。

新展開の4巻

kindleの読み放題で1巻を読んでハマったのは、6月でした3巻まですぐ読んでしまいました。4巻目の発売が7月の上旬で、それまでももちゃんの今後のキャリアを色々と想像してみました

私としては、ももちゃんに消費者として着物を楽しんで欲しかったので、今後のキャリア形成をこう考えてみました。受付から、内勤の専門職に移る、事務職は先細りなのでweb担当か広報。結婚・出産により自宅でリモートワーカーとして仕事を続ける。ももちゃんは仕事と育児と家事を着物でします。育児休養明けから会社で洋服で仕事をします。仕事がピンチで気分転換で着物で仕事をします。ピンチをくぐり抜け、社内での評価も上がり、社内で着物で仕事をするようになりました。そして旦那を着物男子に育成するのでした。

芸者さんでも中居さんでもない、普通の会社員が着物を着て仕事をするようになったらいいなと想像していました。

4巻目を実際に読んでみて、ももちゃんは着物スタイリストを目指し、着物屋さんへの転職をしました。100%消費者ではなく、売り手・作り手の側にまわったのです。

勝手にももちゃんの、最終的なキャリアを想像しました。

  • 着物スタイリスト
  • アンティーク着物の店経営
  • 着物デザイナー 京都の業界人と係る、若旦那さんと恋模様

意外なところで、

  • 和裁師さん、大柄な外国人に身幅のせまいアンティーク着物の仕立て直したり、着物コスプレも仕立てる、実は求めれれている和裁師さんになる。ストリーとして、大阪なおみさんを彷彿させる、ハーフのスポーツ選手のために、おばあ様の振袖を仕立て直し、コーディネートもする何てストリーを勝手に思い浮かべました。

もっと、意外なところで

  • ももちゃんが新しいタイプの悉皆屋を開業する。京都の悉皆屋さんに弟子入りして、若旦那さんと恋に落ちるも、若い着物愛好家が気軽に相談できる悉皆屋さんをはじめるために…

着物スタイリストの笹村さんが、ももちゃんに語った「きっと、いろいろなところに、行くことができるわ。」(4巻23話)着物の売り手・作り手として、現在の着物愛好家のために、ももちゃんなら、やってくれそうです。


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